安全・安心なたまごができるまで
ホクレン旭川鶏卵流通センター

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安全・安心なたまごができるまで

多くのご家庭の冷蔵庫に必ずある、たまご。予備が切れると心配、という方も少なくないのではないでしょうか。農場で産まれた卵は、いくつものプロセスを経て、製品としてのたまごになり、私たちの身近へ届けられます。その一連の様子を、ホクレン旭川鶏卵流通センターで取材しました。

年間約6千万個のたまごを取り扱う

農場で産まれた卵を集荷し、洗浄・消毒、乾燥、検卵、サイズ選別、包装して安全・安心なたまごとして出荷すること。それが、鶏卵流通センターの仕事です。ホクレンが運営する鶏卵流通センター(以下、センター)は、札幌・旭川・北見にあり、旭川鶏卵流通センター(以下、旭川センター)は道北の拠点です。旭川センターは、1970年に開設し、2006年に現在の建物を新設。現在、2台の洗卵選別包装機を稼働させながら、年間約6千万個のたまごを取り扱っています。

HACCPで安全・安心なたまごを

ホクレンは、2004年、安全・安心なたまごを届けるために、第三者認証機関によるHACCPシステムを導入しました。「道内3か所にあるセンターでは、各センターの運営管理および衛生管理の徹底に関する項目のモニタリングも行っています」と大渕裕司飼料推進課考査役(写真右)。中川真吾旭川支所畜産生産課係長(左・所属は取材当時)は、「センターは機械化が進んでいますが、人の手や目による管理も重要です。全員がHACCPの遵守を念頭に、心をこめて仕事にあたっています」と語ります。

「原卵」は管理が万全な農場から

大渕考査役は、センターの重要な仕事としてサルモネラ菌検査を挙げ、詳細をこう説明します。「全農場を対象に、鶏舎ごとに鶏舎内の埃や壁をふき取った検体、鶏の糞便を採取し、センターから専門機関に検査を依頼します。糞便に菌があれば、鶏の体内にも菌が潜んでいることになりますし、鶏舎から菌が出た場合は汚染が進んでいる可能性もあります」。ホクレンの全センターへは、こうした管理が万全な農場から卵が届き、それらは「原卵」と呼ばれます。

たまごの品質を検査

センターに届いた「原卵」は、定期的に農場単位で無作為に20個が抽出され、検査に回ります。検査項目は、卵殻強度、卵黄の色、そして鮮度の指標となるハウユニット(卵の重量と卵白の盛り上がりの高さから求める数値)で、その結果は、農場と共有。改善点は、生産課題として農場へ提示されます。サンプル以外の「原卵」は、担当スタッフが目視で割れや汚れがわかるものを手で取り除き、それら以外を洗卵選別包装機に給卵します。

洗浄消毒水の温度は一日3回の点検

洗卵選別包装機は、「原卵」が傷つかないようにロータリーブラシで洗浄・消毒し、水滴やカビの発生を防ぐために完全に乾かします。「洗卵選別包装機の洗浄消毒水の濃度は、一日3回、基準内にあるかを点検しています。また、温度についても、高いと殻が割れる心配があり、冷たいと殻から水が入ることもあるため、水温の点検も一日3回行っています」と中川係長は説明します。

汚れ卵、ヒビ卵、血卵を検査

洗浄・消毒・乾燥を終えた「原卵」は、3つの検査を受けます。まずは自動汚卵検査装置が殻表面の汚れの有無を調べます。この装置は、赤玉特有の柄と汚れの違いも識別できる精度です。次に自動破卵検査装置が、卵殻をポコポコと叩いて発せられた音から、ヒビ卵の有無を調べます。この時点でいずれかが不合格となった「原卵」は規格外となり、加工用に回ります。最後は、血が混ざった血卵かどうかの検査で、検出された血卵は廃棄されます。

賞味期限シールを貼って「たまご」に

すべての検査に合格した後は、サイズ別に選別されます。それぞれの重量を測定した後、3L、LL、L、M、MS、S、SS、規格外の8種に振り分け、サイズ別に包装ラインへ。一個一個は傷がつかないようにゴムで吸引され、パッケージに納められます。その後、賞味期限シールやパッケージシールが貼られ、製品として完成します。

完成した製品は納品先へ

完成した製品はセンターの製品保管庫に納められます。旭川センターの供給エリアは、上川、留萌、宗谷、中空知、北空知で、小売用はパック卵だけで約30種類あり、パック卵は専用コンテナに納められて配送されます。さらに業務用の10キロ詰めダンボール箱、40個入り化粧箱が加わります。

おいしさますます、ホクレンのたまご

2021年1月、ホクレンのたまご商品のひとつ「樹のめぐみ」がリニューアルしました。この製品はボリスブラウン種が産む赤玉で、今回、道産とうもろこしと木酢酸をブレンドし、ビタミンEの含有量を強化した独自の飼料に改良しました。白身はプルプルで弾力があり、黄身は濃いオレンジ色でふっくら艶やか。大渕考査役からは「ホクレンのたまごは、さまざまな種類があります。お好きなたまごで食卓を楽しく彩ってください」、中川係長からは「たまごを食べて元気に過ごしてほしいですね」とメッセージを預かりました。
 
たまごは、農場から預かった、いのちのめぐみです。
健やかな毎日のためにも、一個一個を大切に、
いろいろな食べ方を楽しんでください。