えのき茸の栽培から出荷/JA上川中央(愛別町)

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えのき茸の栽培から出荷/JA上川中央(愛別町)

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北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、前回のまいたけに続いて、愛別町からえのき茸についてお届けします。えのき茸もまいたけ同様、一年を通して栽培されていますが、冬が出荷の最盛期。愛別町内の栽培施設と出荷準備に追われる包装センターを訪ねました。

  • 「きのこの里」を代表するえのき茸
    「きのこの里」として知られる愛別町にあるJA上川中央では、年間約5,000tのきのこ類を出荷しています。そのうち、約3,000tを占めるのが、えのき茸です。愛別町では、1970年代からえのき茸の栽培が盛んになり、北海道内のシェア約90%を誇る一大産地に成長しました。現在は、町内5軒の農家で立ち上げた農事組合法人で、全量を栽培。出荷がピークを迎える冬には、1日に15tものえのき茸を収穫し、全道各地へと送り出しています。
  • きめ細かな温度管理で栽培
    えのき茸は、専用の瓶の中で栽培します。JA上川中央では、培地と呼ばれるえのき茸の寝床に、コーンコブ(とうもろこしの芯)を砕いたものと米ぬかを混ぜて使用。専用の瓶に培地を入れ、そこに種菌(たねきん)を植え付けます。室温約14℃の培養室に瓶を3週間置き、菌を瓶の中全体に行き渡らせたら、次に芽を出しやすくするため、培地の表面を削り、室温13~15℃、湿度95%の発生室へ。3週間ほどで芽が出たら、室温3~4℃の抑制室に移し、8日間かけてゆっくりと育て、芽の長さを揃えます。
  • 1株350gに育ったら収穫へ
    芽の長さがある程度揃ったら、次は室温9℃の生育室に移動。えのき茸がまっすぐ伸びるよう、紙で株の周りを囲います。ここでさらに8日間成長させ、1株350gほどに育ったら手作業で収穫します。冬は、1日に約5万5,000株を収穫。最も少ない夏でも、1日約2万株を収穫します。収穫後のえのき茸は、すぐに包装センターへ。残った培地は、近隣の農家でたい肥として再利用されています。
  • 「カリッと素揚げして塩で食べるのが一番」
    包装センターでは、手作業でえのき茸を規格ごとの重量に分け、機械で自動包装します。段ボール詰めが終わると、次々に出荷。翌日には、全道各地のスーパーなどに並びます。生産者の1人、菊地智明さんにおすすめの食べ方を聞くと、「素揚げですね」と即答。「油でカリッと揚げて塩を振ると、ポテトチップスのようなおやつになります。うちの子どもたちの大好物です。そこにレモンを搾ると、おつまみにもなりますよ」と教えてくれました。ぜひ、みなさんも試してください。