小麦の収穫(JAいわみざわ/岩見沢市)
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北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、岩見沢市から小麦の収穫風景をお届けします。北海道有数の小麦の産地である岩見沢市では、広大な畑で行われる小麦の収穫風景が夏の風物詩になっています。
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- 北海道有数の小麦産地
- JAいわみざわが本所を置く岩見沢市は、道内屈指の米どころとして知られ、小麦や大豆などの畑作や、玉ねぎや白菜などの野菜作りも盛んです。中でも小麦は道内有数の産地で、特にパンの原材料に適した品種「キタノカオリ」は、道内一の生産量を誇ります。現在、JAいわみざわでは、500戸以上の生産者が年間約25,000tの小麦を生産しています。
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- 晴れの日が続いたら一気に収穫
- 北海道の小麦には、秋に種をまいて越冬させ翌年の夏に収穫する「秋まき小麦」と、春に種をまいてその年の夏に収穫する「春まき小麦」があります。JAいわみざわでは、例年、7月中旬から8月上旬まで秋まき小麦の「きたほなみ」「ゆめちから」に始まり、「キタノカオリ」、春まき小麦の「春よ恋」「はるきらり」の順に収穫していきます。小麦は畑の適期(穂水分の状態)を見極めて収穫することがとても大切で、収穫後は速やかに乾燥機で乾燥させます。加えて品質を低下させないためにも、収穫期の降雨は小麦の天敵とも言える存在。そのため数日、晴天が続くと一気に収穫にかかります。7月下旬、高塚真樹さんの畑を訪ねると、青空の下、「きたほなみ」の収穫が行われていました。「きたほなみ」は主にうどんなどの麺の原材料として使われる小麦です。
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- コンバインで刈り取りながら脱穀
- 畑ではコンバインが一直線に走っていました。小麦の茎を根元から刈り取り脱穀、振動と風力で選り分け、タンクへの保管まで自動的に行います。茎は裁断してコンバインの後方から排出し、後日そのまま畑にすき込むか、牛舎で使う麦わらロールに加工します。タンクいっぱいになった籾は、ダンプに積み替えられ、乾燥施設に搬入されます。「毎年、ほかの作物に先駆けて収穫するので、小麦の出来がいいとモチベーションがあがります」と、高塚さんは今年の籾を見ながら満足げな表情を浮かべました。
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- 共同・分担で作業を効率化
- JAいわみざわで小麦を栽培する生産者の多くは、地域ごとに数軒で麦や米の収穫機や乾燥施設を共有。収穫以降の作業を分担しています。高塚さんは、幌向(ほろむい)川右岸地区農業近代化推進協議会に所属し、今年は乾燥作業を担当しているそうです。「小麦や米の収穫時期に作業を分担することで、ほかの農作業に時間が取りやすくなりました」と、高塚さんは協議会のメリットを話します。
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- 食べる人を思い浮かべながら栽培
- 乾燥施設に搬入された小麦は、計量、乾燥などを経て、JAいわみざわ穀類集出荷調製施設へ。そこで、各選別機による調製作業や品質検査などが行われ、大部分が全国の製粉会社へと送られます。また「キタノカオリ」は地元のベーカリーでも使用され、岩見沢市内の小学校では給食のパンとして週一回提供されています。「パン屋さんで『キタノカオリ使用』とうたっているのを見るとうれしいですし、地元の子どもたちが食べてくれると思うと励みにもなりますよ」と、高塚さんは笑顔で語ってくれました。