大友さん
ご夫妻
(浜中町)
農家の時計

農家の時計 農家の時計

今回の農家さん

大友孝一さん、華苗さん浜中町
孝一さんは農業系の短大を卒業後、北海道のナチュラルチーズの先駆者の一人、故・近藤恭敬さんに師事。中標津町のチーズ工房や畜産食品加工研修センターでも腕を磨き、1999年に『大友チーズ工房』をスタート。2008年、『株式会社おおともチーズ工房』を設立。孝一さんが代表取締役、華苗さんは取締役として、自社製品の販売で全国を奔走中。

『おおともチーズ工房』とは?

看板商品のチーズは、非熟成のフレッシュタイプや熟成タイプなど常時8〜10種類あり、季節ごとに限定商品も。このほかに、飲むヨーグルトやピザ、ソフトクリームの製造も行っています。すべての商品は、敷地内にある孝一さんの父、誠さんが営む牧場の生乳を100%使用。頭数を抑え、放牧でのびのびと育てるなど、誠さんは牛たちの健康に気を配り、乳質にこだわった酪農を実践しています。

■チーズ工房と大友さんご夫妻の1日(2月の一例です)

熟成チーズの味を左右する、
夜間の塩水漬け作業

チーズ作りは、主に生産部のスタッフが担当。大友さん夫妻は、2月から6月まで物産展で全国を回るため、業務の引き継ぎや出展の準備、お客様への案内状の送付などの作業に追われるそうです。
製造の主要な工程は16時までに終了しますが、熟成チーズを塩水に漬ける作業だけは21時からと遅めのスタート。「加塩するタイミングが早いとおいしく仕上がらず、品質を安定させるためにも開始時間には特に気をつけています」と孝一さん。「同じ手順で作っても風味が違うこともあるので、店頭に並べる前に必ず検食します」と華苗さん。

北海道有数の生乳生産地・
浜中町のチーズ工房

北海道東部、釧路市と根室市のほぼ真ん中に位置する浜中町。北海道の中でも「根釧(こんせん)地区」と呼ばれる、道内屈指の酪農地帯として知られています。
全国各地の物産展に引っ張りだこの『おおともチーズ工房』は、釧路と根室を結ぶJR花咲線の茶内駅から車で10分ほどの場所にあります。出展する先々でファンを増やし、今や道外から訪れる人もいるそうです。
「旅行がてらわざわざ立ち寄ってくださり、“こんな大自然の中で作っているなんてすごいね!”と感動されます。私たちにとっては日常の風景ですが、お客様のおかげで、ありがたい場所なんだなぁと思い知らされます」と華苗さんは笑顔で話します。

人のため、社会のための、
チーズ作り

酪農家の家系に生まれた孝一さんが、チーズの世界に足を踏み入れたきっかけは、短大時代に学んだ食品加工の授業。ものづくりの面白さから、“実家の生乳で製品を作ってみたい”という気持ちが湧き上がってきたのだそう。「実家の牛たちをかわいがっていると、その牛の乳にも愛着が生まれます。自分で加工品にして販売すれば、うちで搾った牛乳を多くの人に味わってもらえるとの思いもありました」
1999年にチーズ工房を開業した孝一さんは、2004年、釧路市で会社員をしていた華苗さんと結婚。「すぐに夫が盲腸で入院してしまい、お客様が離れてしまう……とパニックになりました(笑)」と華苗さんは当時を振り返ります。
そうして、個人でのチーズ作りから、工房の味をチームで受け継ぐ会社づくりへ転換。「働きやすさを優先して、チーズの品目も見直しました。従業員が結婚や子育てなど、未来を描ける会社に育てていきたいです」と華苗さん。
「大切なのは、手作りに甘えないこと。リピートしてくださるお客様の期待に応えるためにも、“手作りだから毎回味が違っても仕方がない”ではいけない。品質の安定のためには原料乳も重要で、父にはものすごく助けられています」と孝一さんは力を込めます。

老若男女に愛されるおいしさが理想

牛の乳は一般的に、青々とした牧草がえさとなる夏場は比較的さっぱりとしていて、干し草が主体の冬場は乳脂肪分が高く、濃厚な味わいになります。
「夏は熟成チーズ、冬はカマンベールやモッツァレラなどクリーミーなフレッシュチーズを重点的に作ります」と華苗さん。「うちのチーズは、熟成もフレッシュ系も比較的クセがなく、食べやすいものが多いです。お客様の声やトレンドを柔軟に取り入れて、子どもから年配の方まで家族みんなが笑顔になるチーズを提供したい」と孝一さんは目を輝かせます。

 

それぞれのチーズのおすすめの食べ方について、華苗さんは次のように答えてくれました。「ミモレットはお酒のおつまみによく合います。キャラウェイはそのままで、牛乳の風味を堪能するのがおすすめです。モッツァレラはカプレーゼよりも、個人的にはおかかと醤油で食べるほうが好みです。ご自身がおいしいと思う食べ方で、気軽にお楽しみください」

 

『おおともチーズ工房』のチーズは、「ホクレングリーンネットショップ」でも購入できます。大友さんご家族の思いがぎゅっと詰まったおいしさを、ぜひ味わってみてください。