鳥羽秀男さん ご夫妻
(JAあしょろ)
農家の時計

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今回の農家さん

鳥羽秀男さん 昇子さんJAあしょろ
足寄町で三代続く農家の家に生まれた秀男さんは1980年に就農。現在はラワンぶきのほか、小麦や玉ねぎ、長いもを栽培。昇子さんは、2002年から町内の小学2年生を対象にしたラワンぶきの食育活動に取り組んでいます。

JAあしょろの特産物『ラワンぶき』とは?

十勝・足寄町内の螺湾(らわん)地区、螺湾川流域に100年以上前から自生しているアキタブキ(オオブキ)の一種で、大きくなると高さ2m〜3m、太さ10cm以上に育つ日本一大きなフキです。なぜこの地域で巨大に育つのか、その理由は学術的に解明されていませんが、阿寒山系の火山灰土やミネラル豊富な螺湾川の水質などいくつかの条件がそろっているためだと考えられています。
2001年には、その希少性から「北海道遺産」に選定。自生株の群生域を保護し、町の特産物を絶やさないため、現在23戸の農家が畑での栽培を行っています。

■鳥羽さんご夫妻の1日(6月上旬の一例です)

朝7時から夕方までの収穫作業

ラワンぶきの収穫期は、例年6月~7月上旬。鳥羽さんの畑では、6月中旬から下旬までとさらに期間が短いそうです。「7月に入ると硬いものが増えてきてしまうので、短期間で一気に取り終えます」と秀男さん。収穫作業は朝7時から。友人の助けを借り、10人ほどで刈りとります。「作業は一言でいうと過酷。フキ畑の中は、とにかく暑いんですよ!葉の裏から水蒸気を出しているので、ミストサウナの中にいるような状態です(笑)」
刈りとったフキはその場で袋詰めし、コンテナがいっぱいになるとその都度トラックでJAへ出荷。「鮮度が落ちないうちに、できる限り早く届けています」

傷つきやすく繊細なため
手作業で栽培

大人の背丈よりも高く、驚くほど大きなラワンぶき。茎が太くて見るからに硬そう……そんな印象を伝えてみると、「初めて見た方は必ずそう言われます」と昇子さん。「でも実際は軟らかくて、アクが少ないのが一番の特徴なんですよ」と付け加えます。さらに丈夫なのかと思いきや、意外にもデリケートだそうで、「強風でフキ同士がぶつかると、当たったところがアザになってしまうほど。機械で刈ると茎が割れてしまうので、収穫まですべて手作業です」と秀男さんは説明します。

 

2012年に、特産物の栽培に卓越した技術を持つ人に贈られる「地域特産物マイスター」に、ラワンぶきの生産者でただ一人認定された秀男さん。栽培を始めたのは30年ほど前で「その当時、町内では畑栽培の前例がなかったため、栽培方法のマニュアルもなく手探りの状態でした」と振り返ります。昇子さんは「ラワンぶきは害虫にとても弱く、たとえ大きく育っても出荷できるものは全体の5割くらい。まったく出荷できなかった年も何年もありました」と振り返ります。一般的な作物と比べると生産性が低く、重労働なのは現在も変わらないそうですが、「足寄町だけの特産物なので、なくしたくないという思いもあります」。「毎年楽しみに待っていてくださる皆さんのためにも、できる限り育て続けたい」とお二人は口をそろえます。

 

収穫のタイミングは
“香り”が知らせてくれる

6月の収穫期には、2m近くに生長するというラワンぶき。5月頃は、1mにも満たないそうですが、「1日平均で10cm程度伸びるので、あっという間に大きくなるんです」と秀男さんは話します。収穫のタイミングについて尋ねると、「特に決まりはありません。強いていうなら一番おいしい時期にとるだけです。毎年その時期が近づくと、妻は“畑からいい香りがする”と言います(笑)」と意外な答えが返ってきました。昇子さんは「ラワンぶき特有のさわやかなアロマが漂ってきて、畑にいるだけで癒されます。特に女性が好きな香りだと思いますよ」。実際に匂いをかいだことのある人にも話を聞いてみると、すがすがしいハーブの香りに近いのだそうです。

生は天ぷら、水煮はおでんがおすすめ

生のラワンぶきの食べ方は、「天ぷらがおすすめです!」と昇子さん。「フキはゆでずに皮をむいて、一口大に切り、衣をつけて揚げるだけ。すごく簡単なのに色もきれい、香りもさわやか、食感もシャキシャキで、最高の食べ方です」。秀男さんは、「生のまま揚げてもおいしく味わえるのはラワンぶきだけなんですよ。ほかのフキはエグみが強いんです」と念を押します。

 

一年中食べられる水煮は、「おでんがおすすめですね。色も食感も最高です!」と秀男さん。「色鮮やかなので“着色料が入っているんでしょ?”とよく聞かれますが、入っていないんですよ。ぜひ食べてくださいと胸を張っておすすめできる自慢の品です」と昇子さん。

 

このJAあしょろの『ラワンぶき』は、「ホクレングリーンネットショップ」でも購入できます。旬ならではの味と香りを、この機会にぜひ味わってみませんか。