「認定マークは、おいしさへの信頼を守る証です」


「北海道米の新たなブランド形成協議会」会長 大関 光敏さん [JA新すながわ]
奈井江町出身。22歳で農家の三代目として就農。米約24haのほか小麦、大豆、すいかなどを生産。2020年より現職。
「JA新すながわゆめぴりか生産協議会」会長も務める。
日本一の志がブランドを築く
「北海道米の新たなブランド形成協議会」の設立当初から『ゆめぴりか』を生産し、2020年から同協議会の会長を務めている大関光敏さん。
「初めて『ゆめぴりか』を試食した時、これまでの北海道米にない粘りや、もちもちとした食感に〝これはいける!〟と確信しました」と大関会長は当時を振り返ります。
『ゆめぴりか』は、協議会が定めた厳格なルールを生産者が守ることで、高品質でおいしい米として全国に広く浸透していきました。
「協議会が定めているタンパク値の基準は、生産者が努力しないと達成することができない数値です。生産者の〝日本一のおいしい米を作る〟という志が、このブランドを築いてきたんです」と胸を張ります。
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2022年10月に行われた新米発表会の様子
認定マークは品質と信頼を守るもの
『ゆめぴりか』の誕生から15年が経った現在、大関会長は品質を保証する「認定マーク」の認知度向上に力を入れています。
「協議会の基準を満たしていない高タンパクの米は、認定マークのついた『ゆめぴりか』と比べて食味が劣ります。それを食べた消費者が〝『ゆめぴりか』はおいしくない〟と感じてしまったら、これまで築いてきた信用を失ってしまいます。個人的には、認定マークがないものは『ゆめぴりか』と名乗ってほしくない、まったく別な米だと思っています」
さらに、認定マークの意義について大関会長は次のように力説します。
「認定マークのついた『ゆめぴりか』を作ることは、生産者と消費者の間にある信頼を守ることでもあると私は思います。だからこそ、双方に認定マークの大切さを伝え続けることが重要だと考えています」
『ゆめぴりか』の品質を守るため、協議会では生産者向けに、栽培のポイントを詳細にまとめた栽培マニュアルを配布しています。さらに近年は、田んぼで発生する温室効果ガス(メタン)を減らすための取り組みにも力を入れています。
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2022年産は、前年対比で1割のメタンガスを削減。環境負荷軽減に向けた取り組みを進めています
「『ゆめぴりか』は、決して作りやすい米ではありません。品質の維持には、栽培方法のアップデートも必要です。加えて、おいしさだけでなく〝環境にもやさしい〟栽培方法を実践していくことで、『ゆめぴりか』の米作りに共感していただける人を増やしていきたいと考えています」
40年近く米を作り続けてきた大関会長は、組織の代表という立場だけでなく、一生産者としても『ゆめぴりか』に並々ならぬ思いがあります。
「過去には、苦労して米を作っても『やっかいどう米』と揶揄されるほど、北海道米の評価は厳しいものでした。北海道米の価値を高めてくれた『ゆめぴりか』は、北海道の米農家の救世主だと私は感じています」と大関会長は力を込めます。
「『ゆめぴりか』の全生産者が、今よりももっとおいしい米を作れば、もっと多くの人に食べてもらえるはずです。生産者はもう一度原点に立ち返って、ひと手間を惜しまずにいい米を作り続けてもらいたいです」
最後に読者の皆さんに向けて「協議会の基準を満たしている『ゆめぴりか』は、日本で一番おいしいお米だと自信を持って言えます。ですから、選ぶ際には認定マークが付いているか必ず確認していただきたいです」と話しました。
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厳しい品質基準をクリアした『ゆめぴりか』だけに付与される「認定マーク」。おいしい『ゆめぴりか』の証です