こんにちは。まず、標茶(しべちゃ)町の魅力から教えてください。
標茶町は、釧路湿原を抱えているように、雄大な自然が身近にあり、空気も水もとってもおいしいところです。基幹産業は酪農と畜産で、乳牛、肉牛を合わせて約6万頭が飼育されています。
標茶高校は、いろんな「一番」があるそうですね。
高校の敷地面積が日本一で、東京ドーム約55個分の255haもあるんです。牛舎もあって、そこでは乳牛70頭を育成・飼育していて、飼育頭数、生乳生産量ともに高校としては北海道一なんですよ。
標茶高校は総合学科高校ですね。どのような学びが特徴ですか。
2年次から自分の進路に合わせて好きな科目を選択できるところです。机に座って授業を受けるだけでなく、自分たちで加工品を作る授業やゼミもあって、楽しいです。
興味のあることを学べるのは、いいですね。みなさんが選んだ牛乳班は、どんな活動をしているんですか。
標茶町を盛り上げることを目的に、ホエーの活用を研究しています。
ホエーってなんですか。
生乳からチーズを作る際に排出される液体のことです。ホエーには栄養があるんです。でも、規模の小さいチーズ工房さんでは、使いみちが少なく、廃棄されてしまうことが多くありました。そう聞いて、ホエーを有効活用できないかと考えたのが、きっかけです。
身近で起きていることに疑問を持ったのが始まりなんですね。
はい。もったいないなぁと思って。それで、ホエーを使ってお菓子を作りました。
どんなお菓子なのか、見せてもらえますか。
白いんですが、ガトーショコラなんですよ。名前は「ガトー・ド・ネージュ」で、標茶町の冬の雪原の白さをイメージして付け、先輩方が考案しました。
おいしそうですね! 完成度も高いですね。
はい! 釧路湿原を縫うようにゆっくり走る観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」のおもてなし事業に参加し、標茶駅で乗客の方に販売しました。その他にも、帯広市と札幌市で行われた「ミルク&ナチュラルチーズフェア2022」に出品し、遠方の方にも購入していただくことができました。
いろいろな販売会やイベントに参加して、先輩方が完成させた「ガトー・ド・ネージュ」をより多くの人に知ってもらえるように、広めていきたいです。そして、廃棄ホエーの削減や乳製品に興味を持ってもらうことで、標茶町の牛乳などの消費拡大にも貢献できたらと考えています。
「ガトー・ド・ネージュ」に続くスイーツなどは開発しているんですか。
ハロウィンの時期に、牛乳を使って「かぼちゃプリン」を作りました。
おいしそうですねー!
先生に試食してもらったところ、「かぼちゃと牛乳がなじんで、とてもやさしい味でおいしかった」とほめていただきました。
今年は、コンペティションへの参加にもチャレンジしたそうですね。
はい。地域を活性化させるビジネスプランを考え、競う「No maps 釧路・根室2021高校生ビジネスコンペティション」に参加しました。町に活気を取り戻すことを目的に、標茶の特産である牛乳を使ってご当地グルメを作るプランを発表しました。
結果はどうでしたか。
2年生で初めて参加したコンテストですが、「審査員特別賞」をいただけてうれしかったです。これを機に、たくさんの人に標茶町を知ってもらいたいです。
この春に3年生になり、牛乳班の活動も総仕上げになりますね。意気込みを聞かせてください。
しっかり計画を立てて、いろいろな挑戦をして、反省をして改善し、自分たちの研究を形にしていきたいです。また、たくさんのイベントに参加して、町のこと、私たちの活動のことをもっと知ってもらえるように頑張りたいです。
今日のお話から、みなさんの「標茶町のために」という想いが強く伝わってきました。町の方々も期待していると思います。これからも、前向きに楽しみながらチャレンジしていってください。ありがとうございました。