Vol.26
北海道標茶
高等学校
食品ゼミ牛乳班のみなさん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

北海道標茶高等学校

北海道標茶高等学校 食品ゼミ牛乳班のみなさん

1946年に標茶農業高校として創立し、2000年に総合学科高校としてスタート。いのちをめぐる「文化理解」「地域環境」「酪農・食品」の3系列の授業が特徴で、生徒全員が系列のゼミで探求活動を進めています。全国唯一の搾乳ロボット導入高校であるなど、町の基幹産業・酪農の理解を深める環境が充実していて、高校としては日本初の農場HACCP認証を受けるなど、確かな実績を残しています。

北海道標茶高等学校
088-2313 標茶町常盤10丁目1
http://www.shibecha-h.ed.jp
TEL:0154-85-2001

  • 食品ゼミ牛乳班のみなさん

    食品ゼミ牛乳班のみなさん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 こんにちは。まず、標茶(しべちゃ)町の魅力から教えてください。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 標茶町は、釧路湿原を抱えているように、雄大な自然が身近にあり、空気も水もとってもおいしいところです。基幹産業は酪農と畜産で、乳牛、肉牛を合わせて約6万頭が飼育されています。

GREEN編集部 標茶高校は、いろんな「一番」があるそうですね。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 高校の敷地面積が日本一で、東京ドーム約55個分の255haもあるんです。牛舎もあって、そこでは乳牛70頭を育成・飼育していて、飼育頭数、生乳生産量ともに高校としては北海道一なんですよ。

GREEN編集部 標茶高校は総合学科高校ですね。どのような学びが特徴ですか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 2年次から自分の進路に合わせて好きな科目を選択できるところです。机に座って授業を受けるだけでなく、自分たちで加工品を作る授業やゼミもあって、楽しいです。

GREEN編集部 興味のあることを学べるのは、いいですね。みなさんが選んだ牛乳班は、どんな活動をしているんですか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 標茶町を盛り上げることを目的に、ホエーの活用を研究しています。

GREEN編集部 ホエーってなんですか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 生乳からチーズを作る際に排出される液体のことです。ホエーには栄養があるんです。でも、規模の小さいチーズ工房さんでは、使いみちが少なく、廃棄されてしまうことが多くありました。そう聞いて、ホエーを有効活用できないかと考えたのが、きっかけです。

GREEN編集部 身近で起きていることに疑問を持ったのが始まりなんですね。

食品ゼミ牛乳班のみなさん はい。もったいないなぁと思って。それで、ホエーを使ってお菓子を作りました。

GREEN編集部 どんなお菓子なのか、見せてもらえますか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 白いんですが、ガトーショコラなんですよ。名前は「ガトー・ド・ネージュ」で、標茶町の冬の雪原の白さをイメージして付け、先輩方が考案しました。

GREEN編集部 おいしそうですね! 完成度も高いですね。

食品ゼミ牛乳班のみなさん はい! 釧路湿原を縫うようにゆっくり走る観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」のおもてなし事業に参加し、標茶駅で乗客の方に販売しました。その他にも、帯広市と札幌市で行われた「ミルク&ナチュラルチーズフェア2022」に出品し、遠方の方にも購入していただくことができました。
いろいろな販売会やイベントに参加して、先輩方が完成させた「ガトー・ド・ネージュ」をより多くの人に知ってもらえるように、広めていきたいです。そして、廃棄ホエーの削減や乳製品に興味を持ってもらうことで、標茶町の牛乳などの消費拡大にも貢献できたらと考えています。

GREEN編集部 「ガトー・ド・ネージュ」に続くスイーツなどは開発しているんですか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん ハロウィンの時期に、牛乳を使って「かぼちゃプリン」を作りました。

GREEN編集部 おいしそうですねー!

食品ゼミ牛乳班のみなさん 先生に試食してもらったところ、「かぼちゃと牛乳がなじんで、とてもやさしい味でおいしかった」とほめていただきました。

GREEN編集部 今年は、コンペティションへの参加にもチャレンジしたそうですね。

食品ゼミ牛乳班のみなさん はい。地域を活性化させるビジネスプランを考え、競う「No maps 釧路・根室2021高校生ビジネスコンペティション」に参加しました。町に活気を取り戻すことを目的に、標茶の特産である牛乳を使ってご当地グルメを作るプランを発表しました。

GREEN編集部 結果はどうでしたか。

食品ゼミ牛乳班のみなさん 2年生で初めて参加したコンテストですが、「審査員特別賞」をいただけてうれしかったです。これを機に、たくさんの人に標茶町を知ってもらいたいです。

GREEN編集部 この春に3年生になり、牛乳班の活動も総仕上げになりますね。意気込みを聞かせてください。

食品ゼミ牛乳班のみなさん しっかり計画を立てて、いろいろな挑戦をして、反省をして改善し、自分たちの研究を形にしていきたいです。また、たくさんのイベントに参加して、町のこと、私たちの活動のことをもっと知ってもらえるように頑張りたいです。

GREEN編集部 今日のお話から、みなさんの「標茶町のために」という想いが強く伝わってきました。町の方々も期待していると思います。これからも、前向きに楽しみながらチャレンジしていってください。ありがとうございました。