Q
就農したきっかけは?
その時に思っていたこと、苦労を感じたことは?

自分の代で繁殖農家に転身
苦しくても、前を向いて
もともとは稲作農家でしたが、親父は農閑期に出稼ぎに行っていました。そこで自分は肉牛農家で修業し、22歳の時に乳用種肥育牛の素牛の育成を始めました。親父は反対しなかったけど、一切手伝わないと言うので、自力でやってきました。利益が大きい和牛の繁殖と育成に切り替えたのが14年ほど前です。BSEで多額の負債を抱えた時は、周囲の助けも借りながら、ただがむしゃらでした。

牛たちのいる生活が自然
結婚して後継者意識も変化
物心ついた時から暮らしの中に牛がいたので、小学生の頃には後を継ごうと決めていました。就農前に研修した鹿児島では、地域全体での指導体制が確立されていました。それに対し、地元では自分たちの意思やスタイルが重視されることが多く、その分責任も大きいと感じます。2年前に結婚してからは後継者の自覚も生まれ、就農当時と比べると、ほんの少しですが成長したなぁと感じます。
Q
次世代に受け継いでもらいたいことや、
先代から受け継いでいきたいことは?

牛への愛情を忘れずに
自分流に楽しんで
牛に話しかけ、褒めて育てる。愛情をかけて育てないと、いい牛ができないとよく話しています。それ以外は同じことをやっても現状維持か、後退になるので、10年、20年先の経営を考えて、自分たちのスタイルにどんどん変えていってほしい。大変な時もあるけれど、家族を安心させることも必要なので常に前向きに。たまには旅行に出かけるなど、気分転換して、楽しく仕事をしてほしいです。

前向きさを受け継ぎ
家族での経営を続けたい
トラブルがあっても、めげずに前向きに考える。そこが両親の一番すごいところ。受け継ぎたいことはいろいろありますが、両親のように精神的に強くなりたいです。将来のビジョンは、まだ具体的にありません。やり方を変えていいと言ってくれていますが、一頭一頭に目が行き届き、愛情をかけられる頭数で家族でできる経営を続けたい。一日も早く、安心して仕事を任せてもらえるように頑張ります。