笑顔と元気に満ちたチーズ
~高木牧場チーズ工房シロベル~

白い滴のマリアージュ

今回のテーマ

笑顔と元気に満ちたチーズ
~高木牧場チーズ工房シロベル~

諸説あるが、「広大な土地」を意味するアイヌ語「シュウウォロー」を語源とする士幌。上士幌町は、その川上にあることから名づけられた。町内にある高木牧場では、総頭数350頭ほどの乳牛を飼育している。その牧場内に、高木頼子さんが町で唯一のチーズ工房を開いたのは2011年のこと。現在、娘さんと二人三脚で工房を切り盛りする。

チーズづくりを始めたきっかけは、「自作のチーズをみんなに食べてもらいたかったから」。いつかはチーズづくりをと思っていた夢の実現のために、意欲的にチーズ製造の研修に足を運び、技術を習得した。
現在、チーズは月に2日、合計約200kgの生乳を加工する少量生産。モッツァレラ、ストリング、そしてゴーダチーズをつくる。「ストリング」は繊細に裂け、食感はしっとりと上品。「身体に負担をかけず、料理にも使いやすいように」と塩味を控えた、優しい癒し系のおいしさがある。
高木さんにとって、チーズをつくる意味は、単に商売としてではなく、会話のなかのツールになってほしいという思いがあってのこと。町内の人が、気軽に手に取る「わが町のチーズ」だ。そのチーズを挟んで、お客さんや仲間との会話が弾む。「おいしかったよ、の一言がエネルギーの源」という高木さん。工房に来る人は、チーズを買いに来るだけでなく、高木さんの笑顔と、こころあたたまる会話を楽しみにしているに違いない。

チーズの紹介:ゴーダ
ミルクのおいしさが素直に伝わるゴーダチーズ。目を閉じてかみしめると、どこまでも広がる十勝平野と、高木牧場からほど近い、公共牧場として日本一の広さを誇るナイタイ高原牧場の景色が目に浮かぶ。そのまま食べても、塩分が控えめなので、おやつがわりにとまらなくなり、またパンの上にのせて焼いて食べてもおいしい。
 
< 高木牧場 チーズ工房シロベル >
〒080-1407 河東郡上士幌町字上音更基線288