種いもの
植え付け
JA士幌町
(士幌町)

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種いもの植え付け(JA士幌町/士幌町)

【 60 秒 】

北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、十勝地方の士幌(しほろ)町から種いもの植え付け風景をお届けします。馬鈴しょは、種ではなく「種いも」から栽培する作物。広大な畑をまっすぐに走るトラクターが、種いもを植え付けていきます。

  • 農地が総面積の半分以上を占める純農村地帯
    大雪山系の裾野、十勝地方に位置する士幌町は、農地が総面積の半分以上を占め、畑作、酪農、肉牛生産などが盛んな町。JA士幌町に所属する生産者のうち201戸が馬鈴しょを栽培し、15戸が種いもを作っています。またJA士幌町は、近隣のJA上士幌町、JAおとふけ、JA木野、JA鹿追町とともに「士幌馬鈴薯施設運営協議会」を運営し、馬鈴しょの集荷・選果・出荷を一元化。5つのJAトータルの作付面積は約4,900ha、年間収穫量は17万tを超えます。
  • 種いも生産は早春の太陽の下で
    馬鈴しょは種や苗ではなく、「種いも」と呼ばれる芽出しした馬鈴しょを畑に植えて栽培していきます。士幌町内の種いものハウスでは、3月下旬から4月上旬にかけて、馬鈴しょに日光を当てたりシートをかぶせたりして加温し、萌芽を促す「浴光育芽(よっこういくが)」という作業が始まります。20日〜30日後、芽出しした馬鈴しょの腐れなどをチェック。4月下旬、天候と圃場の状態を見極め、畑の整地と種いもの植え付けを行います。JA士幌町では、すべて士幌町産の種いもを使っています。
  • 土に気を配りながらトラクターで植え付け
    4月下旬、士幌町農業協同組合馬鈴しょ振興会長会の会長を務める鎌田知昇さんの畑を訪ねました。8.5haの圃場で約300tの馬鈴しょを栽培する鎌田さんは、トラクターに2つの農業機械を連結させ、整地から種いものカット、植え付け、施肥、培土までを同時に進行。「トラクターにはGPSが搭載されているため、畝はまっすぐ。ロスを出しません」と鎌田さん。一人で行う8.5haもの畑の植え付け作業が、わずか2日間で完了するそうです。この日植えていたのは、ポテトチップス用の品種「きたひめ」で、貯蔵が効き、揚げ物に適した品種。半分にカットした種いもからは、約10個の馬鈴しょが収穫できるそうです。「質の良い馬鈴しょを生産するためには、植え付け時の圃場の状態が大事です。土を堅くしてしまうといけないので、トラクターで何度も踏み込まないように注意しています」。
  • 8月の収穫まで圃場を入念に管理
    JA士幌町の馬鈴しょは、8月に収穫期を迎えます。それまでの間、生産者一人ひとりが生長した馬鈴しょが土から顔を出さないよう培土を行い、除草、病害虫の防除など、常に圃場をチェックしながら管理します。収穫する際も、できる限り傷を付けないよう、細心の注意が払われます。こうして大切に育てられた馬鈴しょは、JA士幌町から全国へ。スーパーなどの店頭に並ぶのはもちろんのこと、多くがポテトチップスやポテトサラダ、フライドポテトなどさまざまに加工され、全国の消費者に届けられています。