びらとり
トマトの収穫
(JAびらとり/平取町・日高町)

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びらとりトマトの収穫(JAびらとり/平取町・日高町)

【 60 秒 】

北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、JAびらとりから、「びらとりトマト」の収穫風景をお届けします。北海道を代表する大玉トマトの産地であるJAびらとりでは、5月から11月まで続くトマトの収穫作業に追われていました。

  • 50周年を迎えたJAびらとりのトマト
    平取町と日高町にまたがるJAびらとりは、北海道の大玉トマトの一大産地。1972年に6戸の生産者から栽培が始まり、50周年を迎えた2022年は148戸の生産者が約1万1500tものトマトを出荷しました。その約8割は、東京、大阪、京都の市場に送られています。栽培しているトマトは、良食味品種の『桃太郎』系で統一。昼夜の寒暖差が大きい地域性を生かし、甘くて実が引き締まったトマトを栽培しています。糖度は6度を目標とし、4度以下のものは出荷しないという独自の基準も。2012年に「びらとりトマト」として地域団体商標を登録しました。
  • 収穫期は5月上旬から11月中旬まで
    「びらとりトマト」の栽培は、育苗から収穫までハウスで行われます。毎年、寒さ厳しい2月から育苗が始まり、収穫時期をずらすために3月上旬から7月上旬まで、少しずつ定植します。収穫期間は、例年5月上旬から11月中旬まで。5月下旬、「びらとり野菜生産振興会トマト・胡瓜部会」の副部会長を務める池添哲也さんのハウスを訪ねました。池添さんは14棟のハウスでトマトを栽培。今年は5月4日から収穫を開始しました。この時期は、育苗、定植、収穫などが重なり、多忙を極めます。
  • 色を目安に、手作業で一つひとつ収穫
    池添さんの収穫作業は、毎朝5時から。一つひとつ手作業で収穫していきます。「収穫の目安は色。5段階のカラーチャートがあって、部会で時期によって収穫する色を決めているんです。今の時期は3番。まだオレンジ色ですが、甘みと酸味のバランスが一番いい頃合いです。スーパーの店頭に並ぶ頃には、ちょうど真っ赤になっています」と、池添さんは説明します。収穫期の序盤は、午前中で収穫を終えて選果場へ搬入。午後は、これから定植するハウスの準備や追肥などの管理作業に取りかかります。この時期は、1日に20kg入りケースで20〜30ケースを収穫。収穫最盛期の8月には、80ケースにもなるため、夜まで作業が続きます。
  • 地域のブランドに誇りを持って栽培
    池添さんがトマト栽培で最も気を遣うのは、収穫時にトマトを傷つけないように扱うことと、病気を発生させないように傷んだ葉を丁寧に処理することだそう。「びらとりトマト」の収穫期間は半年間と長いため、「作業をしながら、反省点をメモして来年の計画を練っています」とも。「部会で品種の特徴や天候への対策について情報を共有しながら、自分の畑に合った工夫をすることも大事。ブランドの価値を下げないよう、みんなで頑張っています」。池添さんの力強い言葉には誇りがにじみます。最後に、好きなトマトの食べ方を聞くと、「ズッキーニなどの野菜やベーコンと一緒に、チーズとバジルをかけてトースターで焼くのが一番簡単でおいしい。鍋の具材にするのもいいですよ」と教えてくれました。