玉ねぎの切り方と調理のポイント
玉ねぎは切る方向によって、 火の通り方や食感が変わります。
玉ねぎに泣かされずに上手に使いこなすポイントを、料理研究家の坂下美樹先生に聞きました。
point.1 切り方のポイント
繊維に対して直角に切る場合
玉ねぎの繊維を断ち切るように直角に切ると、火の通りが早くなり、ぐんと時短になります。柔らかな食感と甘みを楽しめるので、サラダ、マリネなどの生食にも向いています。
玉ねぎの辛みが気になる場合は、水に浸たします。ただし、水に長時間浸けると、栄養分が抜け出てしまうので5分程度におさめましょう。栄養分を失わせずに辛みを抜きたいなら、空気にさらす方法もあります。切った後に、そのまま30分ほど置いておくと、辛みが気にならなくなります。
繊維に沿って切る場合
玉ねぎの繊維に沿って切ると、形が崩れにくく、シャキシャキとした食感も残ります。一般的にレシピに書かれている、くし切りもこの切り方です。くし切りにした玉ねぎを炒める際には、軽くバラしてから炒めると熱の入り方が均一になります。どんな料理にも合いますが、玉ねぎの食感を残したい料理や、炒め物、スープ、カレーなどに向いています。
point.2 すりおろしのポイント
すりおろす前のコツとして、皮をむいた時に、根元を切らずに残しておくこと。玉ねぎがバラバラになることなく、最後まで楽にすりおろすことができます(みじん切りの際も、根元を残しておくと、バラバラにならず最後まで切りやすいです)。
皮をむいた後はラップにくるみ、30秒ほどレンジで加熱します。すりおろしてから加熱する方法もありますが、先に加熱しておくと、より簡単に苦味や辛みを抜くことができるのでおすすめです。
point.3 涙が出にくくなるポイント
玉ねぎを切ると涙が出るのは、ツーンとした刺激を鼻や目に与える「硫化アリル」という成分のせい。涙予防は、この成分を抑えることがポイントです。
❶冷蔵庫で冷やす。硫化アリルは揮発性で、温度が低いと飛びにくくなります。皮をむいた後ラップにくるみ、冷蔵庫で1時間ほど冷やしてから切ると発生を抑えられます。
❷丸ごと水に浸たしてから切る。11ページ上の切り方と同様に、水に浸たすと刺激は弱まります。ただし、有効成分も流れ出してしまうので、浸し過ぎに注意しましょう。
⾚・⽩・⻩、北海道産⽟ねぎのキャラクター紹介
【 赤玉ねぎ 】
辛みがマイルドで水分が多いので、生食がおすすめ。
【 白玉ねぎ 】
色白で辛みが少なくみずみずしいので、サラダにぴったり。
【 黄玉ねぎ 】
一般的な玉ねぎで辛みがありますが、熱を加えることで甘みに変わります。