「にくのくに
北海道」の和牛。

「にくのくに北海道」の和牛。

北海道産和牛の9割以上は北海道生まれ

 食いしん坊に限らず、テレビや店先でひときわ目を引くのが〝黒毛和牛〟に代表される「和牛」の文字。和牛は、日本で長い時間をかけて品種改良されてきた日本固有の肉用種です。具体的には、国内で肥育されている和牛の9割以上を占める黒毛和種、赤牛と呼ばれる褐毛(かつもう)和種、東北が主産地の日本短角種、角がない無角和種の4品種と、その交雑種のみを指します(図1)。ちなみに国産牛とは、品種を問わず、全飼養期間のうち日本で最も長く飼養された牛のことを言います。
 和牛は、一般的に飼養期間が長く、種付けから肉用牛として出荷されるまで約3年かかります。種付け後、子牛市場に出荷されるまで18カ月前後、さらに肥育期間に20カ月程度を要します(図2)。その間、品質の良い肉に仕上げるために、生産者は多くの手間をかけて育てています。
 北海道は全国有数の和牛の産地で、ほとんどの牛が〝生まれも育ちも北海道〟なのが特徴です。実際に、道産和牛(全飼養期間のうち、北海道で最も長く飼養された和牛)の9割以上が北海道生まれです(※)。
 四季を通じて湿度が低く冷涼な気候のため、暑さに弱い牛の生育に適していることや、餌となる牧草の自家生産も盛んに行われていることなどが理由に挙げられます。
 ブランド和牛をはじめ、地域性のある牛肉が数多く生産されている北海道は、「にくのくに」でもあります。今号とあわせて、「にくのくに北海道」のWEBサイトもぜひご覧ください。

※独立行政法人家畜改良センター個体識別部 令和2年度「と畜データ」より