日本の食料自給率の話をしよう。

日本の食料自給率の話をしよう。

日本の食料の約6割は海外から

 皆さんは、日本の食料自給率が何%かご存じですか? 農林水産省の発表によると、2019年度の日本の食料自給率は38%(カロリーベースによる試算)で、過去最低の2018年度の37%に次いで、2番目に低い数値です(図1)。
 そもそも食料自給率とは、国内の供給された食料に対する国内生産の割合を示すものです。その示し方は複数あり、単純に重量で計算する「品目別自給率」と、食料全体を共通の〝ものさし〟で計算する「総合食料自給率」があります。さらに総合食料自給率には、1人・1日当たりの供給熱量で換算する「カロリーベース」と、金額で換算する「生産額ベース」があります。
 そして昨年、「食料国産率(輸入飼料で育てられた国内の畜産物もすべて国産とみなして算出したもの)」と呼ばれる指標が、新たに加わりました─と、ここまで書くだけでも頭がこんがらがってくるぐらい、私たち生活者には、それぞれが何を意味しているものかが少し難しく、自分ごととして捉えにくい面もあります。
 そこで今回のGREENは、今だから知りたい日本の食料自給率を、私たちに身近な「カロリーベース」に的を絞って取り上げます。
 日本の食料自給率は、なぜ低下し続けているのでしょうか。さらに、自給率を引き上げるためには何が必要なのでしょうか。日本の食料自給率に関するさまざまな疑問について、農林水産省 食料安全保障室企画官の小川英伸さんに、Q&A形式で聞きました。



※図1は農林水産省「知ってる? 日本の食料事情2020」より