洋風でもさまざまに楽しめる
トリュフ、ポルチーニ茸、松茸が世界三大きのこと呼ばれていますが、周りの山好きの間には、まいたけがきのこ界のトップという方もいます。天然のまいたけは古木のミズナラの木に住みつきます。それゆえに多くの場合、山深いところにしか自生していません。山歩きに長けた人だけが出会えるきのこなのです。山でまいたけをみつけたら、喜びのあまり舞い上がってしまう。「舞茸」という表記はとてもしっくりきます。
アイヌもまいたけのおいしさを知り、交易に使っていたと記録されています。環境を選び、栽培が難しいまいたけですが、北海道産が安定的に身近なスーパーで手に入れられることは、とてもありがたいことです。ハリがあって、色が濃いものを選び、キッチンペーパーで包み、ファスナー付きのプラスチック・バッグや保存容器に入れれば、冷蔵庫で1週間程度、保存できます。たくさんある時は、小分けにして冷凍しましょう。
愛別まいたけは、カサが大きく育ち、肉厚で食べ応えがあります。茎のうまみも強く、歯切れも良く、いぶしたり、炭であぶったり、その調理法によっては、まるでお肉を食べているかのような錯覚に陥ります。それでいてヘルシーなのだから、舞い上がってしまいますね。
旨みが強く、香りも良いまいたけは、ゆでるだけでだしが出ますから、他のだしを加えなくてもお吸い物になります。ただ、水分を比較的多く含んでいるので、ソテーするときは強火で手早くがコツです。水分が出ると、独特の良い香りも飛んでしまうのです。私は、焦がしバターでサッとソテーすることが多いですね。
まいたけは、てんぷらや炊き込みごはんなど、和食の食材というイメージが強いですが、洋風の料理にもよく合います。一度お試しいただきたいのが、油に食材を浸してじっくりと煮るフランス料理の製法、コンフィです。
まいたけに軽く塩をふり、塩がなじむまで置きます。鍋にオリーブオイルまたはこめ油をたっぷり入れ、60度から70度に温まったら、まいたけを入れます(鍋底から小さな泡が立ち始めたら60度です)。まいたけがしんなりしてきたら火を止め、常温まで冷ましたら容器に移します。1~2週間は保存がききますから、常備菜におすすめです。オムレツに入れたり、トーストにのせたり、焼いて付け合わせにしたりと、さまざまな食べ方を楽しめます。
温めたピクルス液にまいたけを入れ、沸騰させないように約5分加熱して、冷やせばピクルスに。お好みで、ローリエ、にんにく、唐辛子、ローズマリー、タイムなどを加えると、味に奥行きが出ます。また、熱したバターに刻んだまいたけと玉ねぎを入れ、弱火でペースト状になるまで炒めると、肉料理にも魚料理にも合うデュクセルソースができあがります。
まいたけは、調理のバリエーションでも、きのこ界のトップといえると思います。洋食にも取り入れて、新しい食べ方をお楽しみください。
> GREEN WEB 農家の時計『愛別まいたけ』の記事
減らそう! おうちのフードロス。
おいしく食べ切るアドバイス
シカの角のような傘の根元・茎の部分は、薄くスライスして、スープや味噌汁、チャーハンや炊き込みごはんの具に使いましょう。冷凍保存もききますが、冷凍したまいたけを汁物に使う際は、水の段階で凍ったまま入れるようにしてください。湯になってから入れると、旨みが出づらくなります。おいしさをふくらませたい時、少量でもまいたけがあれば、とても重宝します。
絶妙な配合のスパイスで、愛別まいたけを煮込みました。
きのこの濃厚な旨味と、パンが相性抜群。パンにのせてお楽しみください。
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
●ご提供期間:3月末日まで予定
※写真はイメージです
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」
カリカリのバゲットに、香り豊かな愛別まいたけと、トマトソース、チーズをのせ、香ばしく焼き上げました。ワインのお供にぴったりです。
●500円(税込み)
※写真はイメージです
販売店舗:boulangerie coron 全店
販売期間:3月末日まで販売予定
> ブーランジェリー コロン