ゆで方、見せ方でもっとおいしく
ほうれんそうは、子どもたちにも人気の野菜。甘味があって、香りがよくて、おいしいですね。ところが、僕の知っている限り、フランスの子供たちにはそれほど愛されていません。日本のものよりは固く、えぐみも強いので、クタクタに煮ることが多いからかもしれません。日本のほうれんそうは、えぐみがほのか。それも味わいのひとつとして楽しめる、とても優秀な野菜です。
ほうれんそうは、シュウ酸によるアクが強く、これを抜くにはゆでるのが理にかなっています。サッとゆでて、冷やす「おひたし」は、おいしく健康的に食べるには、もってこいの一品。ただ、ゆで過ぎると、食感を損ないます。今回は、そのさじ加減とともに、「おひたし」のおいしい作り方をご紹介します。
ほうれんそうは、根元に包丁を十字に入れ、葉の間の汚れもていねいに洗います。鍋の湯が沸いたら塩を入れ(水1ℓに塩小さじ1)、二段階に分けてゆでます。最初は根から茎の部分を40秒~1分、次に葉も入れて10~20秒。こうすることで、全体に均一に熱が通ります。ゆでたほうれんそうは流水にしっかりさらし、水気をしっかりしぼってからお好みの長さにカットすれば完成です。
上の写真は、洋風にアレンジした「おひたし」です。ゆでて冷やしたほうれんそうの根をカットして、ラップの上に置き、長さを4等分に切ります。4階建てにするイメージで、ほうれんそうの束を積み上げます。次に、海苔巻きを巻く要領で、ほうれんそうを軽くおさえながらラップで巻きます。5分おいたらラップごと輪切りにし、切り口が上にくるように立てたらラップをはずして皿に盛ります。横に寝かせるといつもの「おひたし」ですが、こうなると洋風に見えませんか? 下に敷いたソースは、にんにくオイルに、しらす、アンチョビ、ドライトマト、レモン汁を和えたもの。ここまで手のかからない、卵黄しょうゆもよく合います。
時間がないときは、手早くできるソテーもいいですね。ほうれんそうは火を入れると、量が目減りするので、ソテーのポイントは出来上がりの直前に、塩・こしょうを振ること。生の分量を目安に味付けすると、味が濃くなってしまいます。
北海道のほうれんそうは9月頃まで旬が続きます。葉にハリとツヤがあり、茎がしっかりしたものを選び、生の場合はクッキングペーパーでくるみ、ラップをかけて密閉容器に。ゆでてから保存する時は、水気をしっかり切ってから密閉容器に。いまが盛りのほうれんそうをたっぷり、どうぞ。
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減らそう! おうちのフードロス。
おいしく食べ切るアドバイス
ほうれんそうが余りそうなときは、ドライほうれんそうに。サッとゆでて、流水にさらしたら、キッチンペーパーで表面の水気をふき取り、ざるの上に重ならないように並べます。乾燥はできれば天日が理想ですが、日がよく当たり、風通しの良い場所なら、室内でも構いません。
えぐみの少ない道産ほうれんそうに、生ハムや魚醤の旨味、レモンの酸味を合わせた、初夏らしいスープです。
※写真はイメージです
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
●提供期間:6月末日まで(予定)
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」
道産ほうれんそうをたっぷり練り込んだチャバタ。共働学舎のラクレットチーズと、クミンを合わせました。おつまみにもぴったりの一品です。
※写真はイメージです
●302円(税込み)
●販売店舗:boulangerie coron 全店
●販売期間:6月末日まで(予定)
> ブーランジェリー コロン