Vol.32
玉ねぎ
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.32
玉 ね ぎ

玉 ね ぎ

玉ねぎは、キッチンに欠かすことのできない野菜のひとつ。北海道は全国生産の6割以上を占めています(※)。球の締まりが良い北海道産玉ねぎは、辛みの強さも特徴です。今回は、辛みは加熱すると甘みに変わる点を生かして、飴色玉ねぎの簡単な作り方とそのアレンジをご紹介します。また、ご家庭でできるフードロス削減のひとつとして「おいしく食べ切るヒント」もシェフに聞きました。

※農林水産省 令和2年産「野菜生産出荷統計」より

北海道産、ここがちがう!
加熱すると甘さが際立つ

辛味の強い玉ねぎも、加熱すると味が丸くなります。これは、辛味のもとになる成分が熱によって失われ、甘さが際立つからです。
 
辛みが強い北海道産玉ねぎは、飴色玉ねぎにもってこい。「でも、飴色玉ねぎは、みじん切りが面倒、炒め続けるのが大変」と思いますよね。実は、そのどちらも不要の方法があるんです。
 
皮をむき、繊維に沿ってスライスした玉ねぎと、玉ねぎと同量の水、塩ひとつまみを鍋に入れ、ふたをして強火で10分。ふたを外して全体を混ぜ、中~強火でかき混ぜながら水分を飛ばし、水分がなくなったら完成。失敗知らずです。
 
 


シェフの「私ならこう作る」
タルトフランベ風トースト

飴色玉ねぎは、カレーやハンバーグ、スープなど、いろいろな料理に使えます。また、小分けにして冷凍しておけば、いつでも使いやすく、時短料理でも本格的な味に仕上げられます。
 
玉ねぎを煮るとき、スライスしたベーコンを加えると、コクのあるペーストが仕上がります。これを使ってフランス・アルザス地方のピザ、タルトフランベ風トーストを作りましょう。食パンに水切りヨーグルトを塗り、炒めた玉ねぎをのせ、チーズを振ってトースターで香ばしくなるまで焼き、仕上げに黒こしょうを少々。リッチな朝食、休日のランチにおすすめです。
 
 


おいしく食べ切るヒント
皮を煮だして、香り水に

私は、玉ねぎの皮の香りが好きで、香り水を作って、料理の水代わりに使うことがあります。
 
香り水の作り方は、麦茶などと同じです。沸騰した湯に皮を入れ、10分ほど煮だして濾します。皮一枚だけでも、複雑ないい香りを楽しめますので、お試しいただきたいですね。
 
玉ねぎの根の部分は薬味に。細かくスライスして、長ネギと同じ感覚で使っています。
 
 


上手な選び方、保存方法
表皮と頭部から根まで

玉ねぎは、表皮がパリッと乾燥していて光沢があり、頭部が細く締まっているものを選びます。芽が出ていないか、根が伸び始めていないかも確かめましょう。
 
保存は、暑い場所や明るい場所を避け、ネットに入れて湿気のない冷暗所に吊るしておくと、かなり長持ちします。
 
> きたやさいホームページ

飴色になるまでじっくり炒めた北海道産玉ねぎを、サクサクのパイ生地にのせて焼き上げました。玉ねぎの甘みに、アンチョビがアクセント。ワインのお供にぴったりです。
 
■281円(税込み)
■販売店舗:boulangerie coron 全店
■販売期間:11月末日まで(予定)
※各日、数量限定販売となります。ご了承ください。
 
※写真はイメージです
 
> ブーランジェリー コロン