Vol.34
雪の下大根
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.34
雪 の 下 大 根

雪 の 下 大 根

雪の下大根は、秋に収穫した大根に土をかぶせて貯蔵し、真冬に雪の下から掘り起こしたもの。12月上旬から3月中旬が出荷シーズンです。今回は、低温貯蔵することで甘みが増し、シャキシャキ食感とみずみずしさも楽しめる雪の下大根を使ったレシピをご紹介します。また、ご家庭でできるフードロス削減のひとつとして「おいしく食べ切るヒント」もシェフに聞きました。

北海道産、ここがちがう!
フルーツに通じる味わい

大根は、風呂吹き大根やおでんのように煮る料理が定番ですが、雪の下大根は写真の一品のように、まず生で味わってみてください。
 
作り方は簡単です。雪の下大根は皮をむいてスライサーで輪切りにし、薄めの塩水に約5分漬け、水気を絞ります。二枚で具をはさみ、ドレッシングなどをかけずにそのまま口に含むと、シャキシャキした食感、甘さ、みずみずしさが溶け合い、持ち味を存分に楽しめます。
 
具は、生ハムやスモークサーモン、からすみ、塩ウニなど、味が濃く、熟成させたものを選ぶと、雪の下大根のおいしさがより際立ちます。
 
 


シェフの「私ならこう作る」
とろりとした舌ざわりのポタージュ

雪の下大根に火を入れるなら、ポタージュがおすすめです。雪の下大根は皮をむき、厚さ2cmほどに切って4等分にします。軽く下茹でしたものを、塩ひとつまみを加えたスープまたは水で炊き、火が通ったら取り出し、ハンドブレンダーで撹拌します。なければミキサーやフードプロセッサーでも代用できます。このとき、大根半本あたりバターひとかけら強を加えます。これで、とろりとした舌ざわりのポタージュの完成です。具は、雪の下大根やほたて、小えびなどを焼いたものを盛り付けます。
 
大根もち、みぞれ鍋、鶏手羽先と一緒にクリーム煮など、雪の下大根は料理のバリエーションを思いつきやすい優秀な食材です。厚めに切って片栗粉をまぶして揚げても、みずみずしさを失わず、おいしかったです。きっと、ガレットや天ぷらも合うと思います。お試しください。
 
 


おいしく食べ切るヒント
インド風に、皮はカレーに

日本では一般的ではありませんが、大根は海外ではクリーム煮、インドではカレーにも登場します。雪の下大根は、皮もやわらかく、おいしいですから、余すことなくカレーで味わってみてはどうでしょう。
 
皮は適当な大きさに切り、香りが出るまでしっかり炒めます。にんじんなどと同じタイミングで鍋に入れ、煮ます。カレーの作り方はいつも通りで結構です。
 
ちなみに、大根の皮はどこまで?という質問を受けたことがあります。大根を輪切りにして断面を見ると、皮と中身の間にうっすらと境目があるのがわかります。この線までが皮です。
 
 


上手な選び方、保存方法
重量感をバロメーターに

みずみずしい雪の下大根を選ぶポイントは、手に持ったときの重量感。水分が多めのものは、見た目より重く感じられますから、これをひとつのバロメーターにすると良いと思います。
 
雪の下大根は水分が抜けやすいので、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙にくるみ、さらに袋に入れて冷蔵庫で保管するのがベストです。
 
> きたやさいホームページ

雪の下で旨みを蓄えたみずみずしい雪の下大根のローストと甘酢漬けを入れて焼き上げた、こだわりのリュスティック。道産小麦の風味と雪の下大根の優しい味わいが楽しめます。
 
■302円(税込み)
■販売店舗:boulangerie coron 全店
■販売期間:2023年2月末日まで(予定)
※各日、数量限定販売となります。ご了承ください。
 
※写真はイメージです
 
> ブーランジェリー コロン