Vol.35
バター
北海道の星みっつ旬食材
生産者の思いがつまった北海道産農畜産物をこよなく愛するシェフが、いままさに旬を迎えている道産食材をピックアップ。星三つクラスのおいしさをより際立たせる調理のヒント、オリジナルレシピなどを紹介します。
vol.35
バ タ ー

バ タ ー

国産乳製品の約90%は、北海道で生産された生乳を使用しています(※1)。また、北海道でのバターの生産量は、全国シェアの90%近くを占めます(※2)。今回は、料理、お菓子やパンにコクと香りを与えてくれるバターを使ったレシピをご紹介します。また、ご家庭でできるフードロス削減のひとつとして「おいしく食べ切るヒント」もシェフに聞きました。

※1、※2 農林水産省「令和3年牛乳乳製品統計」より算出

北海道産、ここがちがう!
生乳のおいしさを感じる

バターは生乳中の乳脂肪を取り出し、練り上げたもの。生乳だけで作る食塩不使用バター、生乳と食塩で作る有塩バター、発酵のプロセスを加えた発酵バターが主な種類で、私は調理には食塩不使用バター、お菓子や焦がしバターには発酵バターを使っています。
 
北海道産の良質な生乳のおいしさが感じられるバターで、じゃがいものバター煮を作ってみましょう。皮をむいたじゃがいもと、じゃがいもの重量に対して25%のバター、10%のだし(または水)、2%のしょうゆをチャック付きポリ袋に入れ、たっぷりの湯を沸騰させた鍋に投入。すぐに火を止め、ふたをして20~30分置きます。再び湯を沸騰させて火を止め、20~30分置き、そのまま冷まします。有塩バターを使うときはしょうゆを減らします。
 
湯煎調理で作ると、バターの風味がじゃがいもの芯までしみます。私は、上の写真にあるキタアカリやインカのめざめでよく作っています。
 
 


シェフの「私ならこう作る」
贅沢なバタートースト

発酵バターがお好きな方にも、発酵バターを使い慣れていない方にもおすすめなのが、贅沢なバタートーストです。
 
食パンの表面に十字または井桁の切り込みを入れます。こうすると、パンの中まで火が入り、焼き上がりのサクサク感が増します。次にパンの全体に発酵バターを塗り、トースターなどへ。香ばしさが出てきたら取り出し、発酵バターをひとかけら、まんべんなく塗ります。
 
発酵バターの二度使いは、とっても贅沢。お好みで、仕上げに砂糖をかけると、塩気と甘さのハーモニーとジャリジャリした食感も楽しめ、さらにおいしくなります。私も大好きです。
 
 


おいしく食べ切るヒント
オリジナルバターを作って冷凍

バターが余ったら、オリジナルバターを作ってみてはどうでしょう。
 
バターを室温に戻し、へらなどでなめらかにして軽くホイップさせます。そこにレーズンを加えればレーズンバターになります。細かく刻んだゆずの皮、軽くもどした海藻(ふのりなど)を混ぜてもおいしくできます。
 
できあがったバターは、小分けにしてラップで個包装し、冷凍します。オードブルに、お酒の肴に、思いのほか重宝します。
 
 


上手な保存方法
しっかり包み、ケースに入れて冷蔵

バターは酸化しやすいため、空気にできる限りふれさせないことが大切です。
 
開封して残ったバターは、銀紙やラップでしっかりと包み、箱やバターケースなどに入れて10℃以下で冷蔵保存します。また、香りを吸いやすいので、匂いの強い食品の近くには置かないようにしましょう。
 
 

玄米と雑穀が香ばしいパンドミ生地で道産バターを包み、焼き上げた、毎日の食卓に合わせやすいロールパン。岩塩の程よい旨味がアクセントです。
 
■216円(税込み)
■販売店舗:boulangerie coron 全店
■販売期間:2023年3月末日まで(予定)
※各日、数量限定販売となります。ご了承ください。
 
※写真はイメージです
 
> ブーランジェリー コロン