北海道産、ここがちがう!
優秀なバイプレーヤー
こまつなは、身近で親しみを感じる野菜です。えぐみがないので下処理などに神経質になる必要もなく、甘みを楽しめるところも好きです。
生でも食べられ、加熱しての調理法も選ばず、しかも他の食材のじゃまをしないこまつなは、かなり優秀なバイプレーヤーだと思います。
今回は、こまつなの定番中の定番、炒め物を中国料理の作り方でご紹介します。こまつなの根を薄く落とし、軽く洗ったら、茎と葉に分けるようにカットします。フライパンに油を熱し、強火で茎を10秒ほど炒めたら葉を入れてサッと合わせ、チキンブイヨンを加えて全体にからませるように炒めます。味付けは塩だけで結構です。茎を炒める前に、スライスしたにんにくやしょうがを熱しておくと、香ばしく仕上がります。
強火で手早く炒めるのでシャキシャキした食感も損なわれず、ブイヨンがみずみずしい緑色をより際立たせます。ひと手間で、ぐんとおいしくなりますので、お試しください。
シェフの「私ならこう作る」
こまつなのグラタン
こまつなは、炒め物、おひたしの出番が多いですが、洋風の料理にもよく合います。私のおすすめはグラタンです。
フライパンに油を熱し、スライスした玉ねぎをしんなりするまで炒めたら、こまつなの茎を加えて炒めます。こまつなは食感が残るように、火を入れすぎないことがポイントです。玉ねぎとこまつなを器に移し、ホワイトソースをかけ、こまつなの葉、チーズの順にのせて焼くだけ。葉の香りもごちそうですし、葉が見えるようにのせるだけでプロっぽい出来栄えになります。ピザやピザトーストにも応用してみてください。
おいしく食べ切るヒント
刻んで、料理の彩りに
こまつなを刻んで、彩りとして料理に添えてみてはいかがでしょう。我が家では、中国地方の学校給食のひとつとして紹介されていた納豆料理をアレンジする際によく使っています。
フライパンにごま油を熱し、みじん切りのにんにくとしょうがを炒め、香りが出てきたら鶏ひき肉を加えます。ひき肉に火が通ったら納豆を入れて炒め、刻んだこまつなを加えて軽く炒めます。砂糖としょうゆなどで味を整えたらできあがりです。にらを加えたり、タバスコをかけたりしてもおいしいですし、卵黄をのせるとお酒によく合うつまみにもなります。
茶色一色の料理にこまつなの緑色が映え、食欲もそそられます。刻んだこまつなは冷凍もできますから、上手に食べ切ってください。
上手な保存方法
全体のハリと葉の色で選ぶ
全体にハリがあり、葉は色が鮮やかで、みずみずしく弾力があるものがいいでしょう。その上で、私は根が太めのものを選んでいます。
冷蔵庫の冷気や乾燥から守るため、新聞紙またはラップで全体をくるみ、野菜室に立てて保存します。