Vol.36
こまつな
北海道の星みっつ旬食材
生産者の思いがつまった北海道産農畜産物をこよなく愛するシェフが、いままさに旬を迎えている道産食材をピックアップ。星三つクラスのおいしさをより際立たせる調理のヒント、オリジナルレシピなどを紹介します。
vol.36
こ ま つ な

こ ま つ な

北海道内でのこまつなの収穫は4月上旬から始まります。今回は、料理のレパートリーを広げることをテーマに、定番にひと工夫加えたレシピ、牛乳・乳製品と作るレシピをご紹介します。また、ご家庭でできるフードロス削減のひとつとして「おいしく食べ切るヒント」もシェフに聞きました。

北海道産、ここがちがう!
優秀なバイプレーヤー

こまつなは、身近で親しみを感じる野菜です。えぐみがないので下処理などに神経質になる必要もなく、甘みを楽しめるところも好きです。
生でも食べられ、加熱しての調理法も選ばず、しかも他の食材のじゃまをしないこまつなは、かなり優秀なバイプレーヤーだと思います。
 
今回は、こまつなの定番中の定番、炒め物を中国料理の作り方でご紹介します。こまつなの根を薄く落とし、軽く洗ったら、茎と葉に分けるようにカットします。フライパンに油を熱し、強火で茎を10秒ほど炒めたら葉を入れてサッと合わせ、チキンブイヨンを加えて全体にからませるように炒めます。味付けは塩だけで結構です。茎を炒める前に、スライスしたにんにくやしょうがを熱しておくと、香ばしく仕上がります。
 
強火で手早く炒めるのでシャキシャキした食感も損なわれず、ブイヨンがみずみずしい緑色をより際立たせます。ひと手間で、ぐんとおいしくなりますので、お試しください。
 
 


シェフの「私ならこう作る」
こまつなのグラタン

こまつなは、炒め物、おひたしの出番が多いですが、洋風の料理にもよく合います。私のおすすめはグラタンです。
 
フライパンに油を熱し、スライスした玉ねぎをしんなりするまで炒めたら、こまつなの茎を加えて炒めます。こまつなは食感が残るように、火を入れすぎないことがポイントです。玉ねぎとこまつなを器に移し、ホワイトソースをかけ、こまつなの葉、チーズの順にのせて焼くだけ。葉の香りもごちそうですし、葉が見えるようにのせるだけでプロっぽい出来栄えになります。ピザやピザトーストにも応用してみてください。
 
 


おいしく食べ切るヒント
刻んで、料理の彩りに

こまつなを刻んで、彩りとして料理に添えてみてはいかがでしょう。我が家では、中国地方の学校給食のひとつとして紹介されていた納豆料理をアレンジする際によく使っています。
 
フライパンにごま油を熱し、みじん切りのにんにくとしょうがを炒め、香りが出てきたら鶏ひき肉を加えます。ひき肉に火が通ったら納豆を入れて炒め、刻んだこまつなを加えて軽く炒めます。砂糖としょうゆなどで味を整えたらできあがりです。にらを加えたり、タバスコをかけたりしてもおいしいですし、卵黄をのせるとお酒によく合うつまみにもなります。
 
茶色一色の料理にこまつなの緑色が映え、食欲もそそられます。刻んだこまつなは冷凍もできますから、上手に食べ切ってください。
 
 


上手な保存方法
全体のハリと葉の色で選ぶ

全体にハリがあり、葉は色が鮮やかで、みずみずしく弾力があるものがいいでしょう。その上で、私は根が太めのものを選んでいます。
 
冷蔵庫の冷気や乾燥から守るため、新聞紙またはラップで全体をくるみ、野菜室に立てて保存します。
 
 

たっぷりのこまつなと豚肉を醤油麹で甘辛く仕上げた特製そぼろを、道産米粉を使用した風味豊かな米粉パン生地で包み、おやき風に焼き上げました。
 
■346円(税込み)
■販売店舗:boulangerie coron 全店
■販売期間:2023年5月末日まで(予定)
※各日、数量限定販売となります。ご了承ください。
 
※写真はイメージです
 
> ブーランジェリー コロン
 
 
 

コクのある冷たい白味噌豆乳スープに、肉味噌と野菜をたっぷりのせた、夏季限定の冷んやりcomen。こまつなをはじめ、たっぷりの野菜とラー油・昆布オイルのコクが相性抜群の一杯です。蝦夷山椒の爽やかな香りとともにお楽しみください。
 
■1,200円(税込み)
■販売店舗:rice noodle comen
■販売期間:夏季限定メニュー(8月末日まで販売予定)
※各日、数量限定販売となります。ご了承ください。
 
※写真はイメージです
 
> ライスヌードル コメン