北海道産、ここがちがう!
大地から授かった贈り物
出てきただけで場を華やかにし、食卓を囲む人たちを贅沢な気分にさせる、グリーンアスパラガス。ごちそうという言葉が似合い、誰からも愛される、とてもすてきな食材です。
グリーンアスパラガスは、冬の間、根にしっかりとエネルギーを蓄えます。そのため、出始めの頃の味わいは力強く、夏に向かうとともに穏やかになっていくように感じられ、そうした変化が私を喜ばせてもくれます。
北海道各地の生産者さんが丹精込めて育て、1本1本を手で収穫し、全国へ旅立たせるグリーンアスパラガスは、大地から授かった贈り物。鮮度が命ともいえる旬のおいしさを、存分に楽しんでください。
シェフの「私ならこう作る」
リゾットで香りを楽しむ
グリーンアスパラガスの魅力といえば、あの香りではないでしょうか。今回は、香りを楽しむことにフォーカスをあてたレシピとして、リゾットをご紹介します。
リゾットは、米(1合)と野菜だし(400~500cc)に、根元から1/3程度を小さくカットしたグリーンアスパラガスを加えて炊きます。加熱して水が減ったら、軽く混ぜてから熱いだしを加えます。ここでは、米が割れたり、粘りが出たりしないように、必ず熱いだしを使ってください。炊き始めから15分ほどたったら味見をして、米が硬ければ水を加えて、好みの硬さに炊き上げます。野菜だしがなければ、和風だし、昆布だしでも結構です。ただ、チキンブイヨンは香りを損ねてしまうので避けましょう。ベーコンも一緒に炊いたり、炊き上がりに生ハムを加えたりする場合は、水でも構いません。
炊き上がったところで、グリーンアスパラガスのバターソテーを加え、混ぜ合わせます。香りは生より加熱したほうが出ますし、焦げる直前により強くなります。ふわーっと香りが広がっているうちに、さあ、急いでいただきましょう。
おいしく食べ切るヒント
ごく薄くスライスして飾りに
人気者のグリーンアスパラガスが余ることはそうそうないと思いますが、調理をしていて1、2本残ったとき、鮮度がいいうちに食べ切る追加の一品をご紹介しましょう。
グリーンアスパラガスを生のまま、縦にごく薄くピーラーなどでスライスします。次に氷水に20分ほどつけると、ハリが出ると同時に、リボンのように丸まります。これをサラダや付け合わせに飾ると、お店の一皿のように見えませんか?
グリーンアスパラガスの量が実際より多く見えるところも、隠れた利点です。
上手な選び方、保存方法
じっくり見て選び、立てて保存
グリーンアスパラガスを選ぶとき、見るべきポイントは3つです。根の断面がみずみずしいこと、ハカマと呼ばれる部分が正三角形に近いこと、全体がふっくらしていること。さらに、穂先が締まってピンとしていて、緑色が鮮やかであれば、申し分ありません。
鮮度が落ちやすい野菜ですから、購入後はなるべく早く調理しましょう。保存するときは、新聞紙で軽く包み、穂先を上にして冷蔵庫の野菜室に。飲み終わった牛乳やジュースの紙パックに納めてから野菜室に入れると、倒れることがなく安心です。
<お知らせ>
塚田宏幸シェフが担当する「北海道の★★★旬食材」は今回が最後となります。
8月からは、ブーランジェリー コロンの村山奈津美シェフが担当いたします。