Vol.16
ながいも
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.16
な が い も

な が い も

北海道のながいも生産量は、全国トップクラス。十勝を主産地に、秋と春に収穫し、低温貯蔵で通年出荷しています。生でも食べられ、加熱すると風味が変化するながいも。持ち味を余すことなく楽しむコツをご紹介します。

食べ方いろいろ、
オールラウンド食材

ながいもは、あの白さが好きです。生で食べられる点が一番の特徴で、私もすりおろしたものをごはんにかけてよく食べています。加熱すると、ホクホクして、淡白な味わいを包むように心地よい香りがふくらみ、違う個性があらわれます。熱の入れ方で変化し、調理の幅も広げてくれるオールラウンドな食材です。
 
欧米では、ながいものような粘りのある食材を食べ慣れていないと聞いたことがあります。確かに、ながいもを活用した料理はほとんどありません。ながいもの粘りをやわらげるために、低温の油でじっくり揚げて生ハムやアンチョビ、チーズと合わせるなどすれば、ワインとも相性の良いメニューになるのではないかと、その可能性を感じています。
 
薄くスライスしたながいも、牛乳とチーズで作るグラタンもおいしいです。既製のホワイトソースを代用する時はすりおろしたながいもを加えると、コクが増します。すりおろしたながいもといえば、お好み焼きの生地に入れるのは定番になりつつありますが、ハンバーグやつくねの生地にも加えてみてください。ふわっとするだけでなく、冷めてもおいしいので、お弁当には特におすすめです。
 
生のながいものシャキシャキした食感も好きです。噛むほどに香りとおいしさが口の中で広がっていくので、私はたくさん噛んでもらおうと、この時期はマリネしたサケやスモークサーモンの上に、千切りにしたながいもをのせた一品を提供しようと考えています。噛むほどに、旨みに富んだサケとながいもが一体となっていくことを実感していただきたいのです。サケのオレンジと、ながいもの白のコントラストもきれいです。

店では今時期に仕入れたながいもを、敢えて乾燥させて使っています。皮をむいて5~6mm厚の輪切りにし、乾燥させたものを砕いてスープを作ると、味が濃く、深くなるんです。そもそもは、粘りを抑えられるのではと思って乾燥させてみたのですが、味わいも変化するとは大きな収穫でした。
 
長いながいもを一本購入し、余ってしまいそうな時も、乾燥させるといいでしょう。皮をむいて薄切りにしたながいもを重ならないようにザルに並べ、天気の良い日に天日干しにします。それを140~160度の油にサッとくぐらせれば、チップスの出来上がり。おつまみにも、おやつにもなります。
 
漢方の山薬として皮を乾燥させたものがあるほど、ながいもはからだにいいと言われています。生でシャキシャキ、すりおろせばトロリ、火を通すとホクホク。いろいろな味わい方を楽しみながら、これから来る冬を元気に過ごしましょう。
 
> きたやさいホームページ

道産ながいもを乾燥させて旨味を凝縮し、ポタージュに仕立てました。なめらかな口当たりと、ながいもの濃厚な甘みに、カリカリに揚げたながいもの皮をアクセントに添えて。この前菜は、塚田シェフが指揮を執る「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」でお楽しみいただけます。
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。

※写真はイメージです
 
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」

道産ながいもの食感を楽しめるよう角切りにし、ベーコン、長ネギを入れて香ばしく焼き上げたパンキッシュ。白ワインはもちろん、軽めの赤ワインとも相性抜群です。「ブーランジェリー コロン」全店で期間限定、平日限定で発売中です。
●1個324円(税込み)

※写真はイメージです
 
販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
 
> ブーランジェリー コロン