Vol.20
かぶ
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.20
か ぶ

か ぶ

北海道産かぶの季節がやってきました。表面がつるりとなめらかで、真っ白なかぶは、やわらかく、ほんのり甘さも。若葉色したつやのある葉も、ごちそうです。今回は、北海道産かぶをまるごと、おいしく楽しめる調理法をお伝えします。

出回る季節によって、
味わい方も変えて

かぶといえば、大根に近い食感で、苦みがあるもの。数年前まで、そう思っていました。それが、生産者さんのところで春のかぶを食べさせていただき、イメージが一変。やわらかで苦みや辛みが少なく、かむほどになめらかになっていく。その食感、甘みの広がりは桃に通じるものが感じられ、春のかぶに魅了されました。
 
春のかぶならではの味わいは、火を通さず、生のまま楽しみましょう。その例をご紹介する前に、かぶの白いゴロンとした部分は実は茎の一部です。根はどこかというと、丸みの先端、細くなっている部分なんです。
 
前置きはここまでにして、一品目は簡単に作れるピンチョスです。かぶは葉を落とし、葉とかぶの境目に残っている土をていねいに洗い落とし、6等分または8等分の串切りにして皮をむきます。かぶの断面を見ると、内側にうっすらとラインがありますので、これを皮の境目と考えるといいでしょう。一つひとつを皿に盛り、その上に生ハムをのせます。これだけで、見た目も色彩も洗練された料理ができあがります。からすみ、チーズ、しょうゆ麹、ふきのとう味噌など、塩気のあるものは相性が良いので、いろいろと試して、お好みの組み合わせを探すのも楽しいですね。

もう一品は、サラダです。皮をむいたかぶを薄くスライスして皿に盛り、塩を振って、オリーブオイルをまわしかけます。スライスしたものは、ふぐ刺しのように重ねて並べてもいいですが、私は綿をほぐすように手で優しくもんで、少ししんなりさせ、それを高く盛り付けます。こうすると、お皿全体に表情が出てきます。
 
葉もひとつの食材です。お店ではサラダによく使っています。量が多く、食べ切れないときは、2、3cmの長さに切って冷凍すると良いでしょう。冷凍すると繊維が壊れてやわらかくなりますから、みそ汁の具にはもちろん、スムージーを作るのにも向いています。また、かぶはアブラナ科の野菜で油とも相性が良いので、卵炒めや、中華風に味付けた青菜炒めもおいしいです。
 
春のかぶは、生のほか、茹でたり蒸したりといった水を使った調理が向いています。これから季節が進むと、かぶがしまり、そうなると、焼く、揚げる、おろすといった調理法がおすすめです。同じ野菜でも、出回る時期によって持ち味が変わり、ふさわしい味わい方も違ってきます。かぶを一切れ食べて、調理法を選んでみてはいかがでしょうか。
 
> きたやさい

生ハムが道産かぶの甘みを引き立てる一品。シンプルながら、かぶのおいしさを楽しめます。自家製の生ハム味噌のコクがアクセントです。
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。

※写真はイメージです
 
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」

肉厚の道産かぶに、かぶの葉の部分を使った自家製ソースを合わせてジェノベーゼピザ風に焼き上げました。白ワインやスパークリングと相性抜群です。
●1個302円(税込み)

※写真はイメージです
 
販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
 
> ブーランジェリー コロン