旬は秋まで。
折々のおいしさを味わう
トマトは、高温多湿を嫌い、冷涼な気候と強い日差しを好みます。本州では春から夏に食べる野菜のイメージが強いですが、北海道産トマトは秋まで旬が続きます。
私は、北海道産トマトは、春から夏の初めにかけては軽やか、夏本番から秋にかけては甘みや旨みがのって、味わいが深くなると感じています。今頃の軽やかな北海道産トマトは、冷たいそばやそうめんをいただく時、小さく刻んでつゆに足してみてください。トマトは鰹節と相性が良いので、とてもよくなじみます。
暑い時期は、あっさりしたものが食べたくなりますから、料理で特に気を付けているのは「酸」です。若い頃は、トマトの凝縮した味が好きで、煮詰めたり、干したりして、旨みや甘みを引き出していましたが、最近はトマトのフレッシュさや酸とも仲良くできていて、年齢を重ねてトマトの良い面を広げていけているように感じます。私はトマトの酸が好きですが、買い求めたトマトが酸っぱく感じられたときは、軽く火を通してオムレツにすると酸の角がとれ、旨みや甘みが引き立ちます。意外かもしれませんが、茶わん蒸しに加えてもおいしいです。モッツァレラに代表される、ミルクのフレッシュさが生きるチーズも、酸を包んでくれます。
夏から秋にかけて、甘みや旨みが増した北海道産トマトは、調理の際、酢やレモンで酸を補うとバランスが整い、飽きのこない味に仕上がります。この時期のトマトで作るとおいしいのが、スペイン料理の冷たいスープ、ガスパチョです。硬いパン(硬くなったパンでも結構です)と生野菜、トマトをフードプロセッサーにかけて器に注ぎ、仕上げにクルトンを浮かべ、オリーブオイルをまわしかければできあがり。私は、スイカやチェリーを加えて作ることもあります。のどごしが良く、栄養も満点です。
トマトそのもののおいしさをシンプルに味わうなら、サラダ。香りを補うために赤しそ、青じそ、穂じそを使ってもいいですね。ひと手間かけるなら、湯むきをすると、純粋な果肉の味を楽しめます。
道外から来店された方に、トマトひとつで作るパスタを提供すると、北海道産トマトの素材の力に驚かれます。ここでは、その料理のアレンジ版として、ご家庭向けのトマトソースの作り方をご紹介します。鍋にオリーブオイルを熱してにんにくを入れ、香りが出たら、みじん切りにした玉ねぎ、ざく切りにしたトマト、塩とローリエを加え、沸騰したら中火にして10~15分加熱して火を止めます。それを裏ごしして粗熱を取り、食料保存袋に入れて冷凍します。おいしい盛りのこの時期に、作り置きしてはいかがですか?
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おいしく食べ切る
アドバイス
パック詰めのトマトが残ってしまったとき、「トマトごはん」を作ってみませんか。米を炊く時に、洗ったトマトをまるごと入れて、スイッチオン。水加減は、白米を炊くときと同じで構いません。炊き上がったら、トマトをごはんにざっくり混ぜ、お好みでオリーブオイルをまわしかけ、器によそいます。昆布を入れて炊くのと同じくらい、旨みが出ます。「トマトごはん」に卵焼きをのせてもおいしいですよ。
トマト、にんにくなどの野菜とパンを合わせてペーストにする、夏のスタミナスープ「ガスパチョ」。アクセントのハマナスのパウダーが、華やかさと程よい酸味を引き立てます。この一品は、塚田シェフが指揮を執る「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」でお楽しみいただけます。
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
※写真はイメージです
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」
旨味たっぷりの道産トマトとナスをのせて焼き上げたピザは、ボリューム満点の夏らしい味わい。モッツァレラとバルサミコソースが相性抜群です。
●1個500円(税込み)
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販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
> ブーランジェリー コロン