Vol.23
ブロッコリー
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.23
ブ ロ ッ コ リ ー

ブ ロ ッ コ リ ー

ブロッコリーは全国的には秋冬の野菜ですが、北海道産の旬は6月から10月。国内では、北海道が生産量第1位です(※)。今回は、定番のサラダや炒め物以外の調理法、茎や葉のおいしい食べ方などをご紹介します。
※農林水産省「令和元年産野菜生産出荷統計」より

1個で、3つの異なる味を楽しめる

ブロッコリーといえば、みずみずしい緑色と王冠のような姿。スーパーの店頭でも、すぐに目が留まります。私は苦みと甘みのバランスが絶妙なところが好きなのですが、健康や美容への関心から手にする人も増えていると感じています。
 
私たちが主に食べているところは、つぼみです。つぼみはゆでたり、焼いたり、加熱するとコクが出て、甘みが増しますから、醤油や塩、オイスターソース、塩分のある食材などとの相性が良いんです。また、生の時には感じられない、海をイメージさせる香りが出てきます。ホタテやカキ、白身魚など魚介類と組み合わせた料理が多いのは、そのせいもあると思います。
 
南イタリアを訪ねた際、現地の人はブロッコリーを使ったパスタソースを好んで食べていました。昔ながらの定番ソースのひとつで、作り方はとても簡単。パスタがゆであがる3分前に、パスタをゆでている鍋にブロッコリーを入れ、クタクタになるまで火を通します。フライパンに油を熱し、にんにくとアンチョビ、鍋から取り出したブロッコリーを入れ、トングなどでつぶし、全体をなじませます。コツいらず、失敗知らずのお手軽メニューですので、レパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
 

 
「調理法がわからないから、もったいないと思いながら捨ててしまう」という声をよく聞くのが、ブロッコリーの茎と葉。茎は断面を見るとドーナツのようになっているので、内側の円の部分だけを残すように皮をむきます。これをゆでて一口サイズにカットすると、スティックサラダになります。葉はゆでたり、素揚げにしたりして付け合わせに。揚げると香ばしさも楽しめます。
 
つぼみ、茎、葉を使った一品として、私からはお店でも提供しているムースを提案します。まず、茎はだしで炊き、ミキサーにかけてペースト状にします。そこに牛乳を注いでのばしたら、あらかじめ戻しておいたゼラチンを混ぜ、生クリームを加えます。最後に塩・こしょうで味を整えたら、冷蔵庫で冷やし固めます。
 
ムースの盛り付けには、つぼみと葉を使います。つぼみはゆでて、レモンと塩で軽く和え、細かく刻みます。葉は、サッと素揚げします。ムースの上につぼみをたっぷり盛り、葉を飾れば、お店で出てくる前菜のような一品の出来上がりです。しかも、ブロッコリーの3つのパートそれぞれの味わいの違いが際立ちます。
 
1個で3つの異なるおいしさを楽しめるブロッコリーは、とても贅沢な野菜です。ここでご紹介した使い方をヒントに、さまざまなアレンジを試してみてください。
 
> きたやさいホームページ

 
 


 
 

おいしく食べ切る
アドバイス

ブロッコリーをゆでたものの、一度に使いきれずに困った時は、細かく刻んで保存します。ホタテなど魚介の炊き込みごはんの炊き上がりにさっくり混ぜたり、バターでさっと焼いて、醤油で味付けしたものをごはんのお供にしたり。さまざまな料理に彩りを添えてくれます。また、焼いたり揚げたりして、みそ汁に入れてもおいしいです。

なめらかなトマトのムースに、ブロッコリーの食感をプラスした、さわやかな味わいの冷製前菜です。にんにくの香りとアンチョビが程よいアクセントに。この一品は、塚田シェフが指揮を執る「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」でお楽しみいただけます。

●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
※写真はイメージです
 
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」

ガーリックでソテーした道産ブロッコリーとドライトマトをたっぷりのせて焼き上げた、アヒージョ風バゲットピザ。ワインのお供にぴったりです。
●1個500円(税込み)

※写真はイメージです
 
販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
 
> ブーランジェリー コロン