甘く炊いても、塩で煮ても
黒豆といえば、おせち料理を思い浮かべ、自分で上手に炊くのは難しいと、敬遠される方も多いと思います。でも、黒豆は、とても身近な大豆の一種で、表皮が黒色の大豆のこと。私自身も、かつては豆の皮を破かずに炊くことに手間取ったことから、黒豆はハードルが高い食材だったのですが、大豆と同じと発想を変えたところ、気持ちが軽くなりました。
黒豆の上手な炊き方は、多くの方々が手ほどきをされています。ここでは、私なりの炊き方をご紹介します。最初に、鍋に水、砂糖、しょうゆを入れ、混ぜ合わせて液を作ります。豆1kgに対して、水3ℓ、砂糖(色のついたものが望ましい)800g、しょうゆ80mlが目安です。手元にあれば、釘など錆びたものも加えることでより黒々とした仕上がりになります。この液に洗った黒豆を入れ、一晩寝かせ、戻します。
鍋を中火にかけ、液が沸いたらアクを取ります。この時、グツグツと沸騰させると黒豆が割れます。様子を見ながら、途中でさし水をして、アク取りをして、これを2、3回繰り返したら、鍋にふたをして最小の弱火で5時間程度加熱します。沸き加減は沸騰しないようにフツフツ程度をキープします。豆を炊くときは、豆が液から顔を出さないようにだけ、注意してください。こうすると、豆が皮もきれいな、つやつやの黒豆が炊き上がります。
甘く炊いた黒豆は、苦みのあるほうじ茶、そして、意外かもしれませんが、コーヒーやカカオともよく合います。黒豆をおやつ代わりに、お茶の時間を楽しむのも、ゆったりした気持ちになれてよいのではないでしょうか。
ここまでは黒豆を甘く炊く方法のお話でしたが、甘く炊かず、料理に加えることもできます。洗った黒豆を沸騰したお湯に入れて一晩寝かせたら、豆の重さの3倍強の水に移し、水3ℓに対して小さじ2程度の塩を入れます。あとは甘く炊くときと同じように火を通します。いわゆる黒豆で作った塩豆は、カレーやシチュー、スープ、ポテトサラダ、豆ごはんなど、活躍の幅は広いです。豆は水で戻すことが多いと思いますが、私の経験上、沸騰したお湯に入れて火を止め、そのままの状態で戻すと、割れにくい気がします。
こうして塩味に仕上げた黒豆は、煮汁と一緒に冷凍することができることも覚えておいてほしいですね。冷凍中は煮汁が豆を守ってくれますし、解凍後も豆は煮汁を含みながら戻っていくのでやせません。冷凍の前後で、味はほとんど遜色ありません。扱い方に慣れさえすれば、豆は、さまざまな調理に合う、とても魅力的な食材です。年末年始を機会に、ご家庭でぜひ調理してみてください。
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おいしく食べ切るアドバイス
おせち用の黒豆を炊き過ぎたときは、フルーツ感覚で食材との組み合わせを考えるといいと思います。写真のように、トーストに黒豆、リコッタチーズを合わせると、黒豆の甘さがアクセントになり、白と黒の上品な色彩も楽しめます。ホットケーキやパンケーキに添えても、ヨーグルトやアイスクリームにかけてもよくなじみます。
黒豆をたっぷりの野菜とじっくり煮込んだ、栄養満点のミネストローネ。パンに合わせてお楽しみいただけます。この一品は、塚田シェフが指揮を執る「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」でお楽しみいただけます。
●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
※写真はイメージです
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「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」
道産黒豆を塩で炊き、香ばしく栄養価が高いヘンプシード(麻の実)を合わせた、健康志向のリュスティックです。トースターで温めると、香りが引き立ちます。
●1個292円(税込み)
※写真はイメージです
販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
> ブーランジェリー コロン