Vol.24
キタアカリ
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.24
キ タ ア カ リ

キ タ ア カ リ

じゃがいもは、国産の約8割が北海道産(※)。道内では約50もの品種が生産されています(加工用、でんぷん用を含む)。今回は、スーパーなどで手に取れるじゃがいもの中で、ホクホク感が人気のキタアカリをもっと食べたくなる調理のヒントを中心に、ご家庭でできるフードロス削減のひとつとして「おいしく食べ切るアドバイス」もお伝えします。
※農林水産省「作物統計調査」2019年より

ホクホク感をシンプルに

野菜は、基本的には野菜の名前で呼ばれます。しかし、品種名で呼ばれる野菜もあり、その代表がじゃがいもです。スーパーなどの値札にも「男爵」、「メークイン」、「キタアカリ」とあるだけで、調理法などの説明は書かれていません。品種ごとの特徴が理解され、ご家庭でも好みや料理に合わせて使いこなされているからでしょう。じゃがいもは、食文化において豊かさの象徴ともいえる食材です。
 
キタアカリは、ホクホクしていて、とてもおいしいじゃがいもです。素材の味をそのまま楽しみたい私は、ふかしたり、マッシュしたり、シンプルな食べ方が好きです。ご家庭で調理するなら、キタアカリは油脂や乳製品と相性が良いので、コロッケやポテトフライ、ポテトサラダがおすすめです。
 
いつもと違う食べ方を探している方へ、手軽にできるバター煮をご紹介します。皮をむき、食べやすい大きさに切ったキタアカリと、バター、水、塩をファスナー付きのプラスチック・バッグに入れます。15~20分間湯煎にかけたら鍋から取り出し、封を開かずに粗熱が取れるまで置き、味をしみこませます。分量はキタアカリ2個、バターと水はそれぞれキタアカリの重さの20%、塩ひとつまみが目安です。水をだしに、塩をしょうゆやみそに代えてもおいしく作れます。
 

 
お店で以前、アイヌ料理「チポラタシケプ」へのオマージュとして提供していた一品があります。キタアカリを細長くスライスして片栗粉をまぶしてゆで、冷めたところで皿に盛り、いくらを飾ります。上の写真では、ゆであがったキタアカリに、焼いた昆布の香りをつけた油をからめていますが、ご家庭では省略しても構いません。この料理のじゃがいもはニョッキにも似た食感で、キタアカリが一番作りやすいと思います。
 
余談になりますが、じゃがいもを丸ごとゆでるときは、湯をグツグツ沸騰させると、表面と芯の火の入りが均等になりづらく、食材の表面が削れてしまいます。じゃがいもでいえば、湯が白く濁らない程度がちょうどです。また、じゃがいもをゆでる際の皮の処理は、香りを残したいなら皮ごと水からゆで、食感を軽くしたい場合は皮をむいて一口大に切り、沸騰した湯に入れて一気にゆでると覚えておくといいと思います。
 
厨房では、じゃがいもを光に当てると怒られます。料理の世界に入ってきた新人はみな、一度や二度は怒られているはずです。キタアカリはもちろん、じゃがいもにとって、光は大敵。すぐに食べ切れない時は、紙袋に入れるか、新聞紙などで包んで光を遮り、涼しい場所や冷蔵庫の野菜室に保管してください。
 
> きたやさいホームページ

 
 


 
 

減らそう! おうちのフードロス。
おいしく食べ切るアドバイス

袋入りを買って、なぜか1個残ってしまうこと、ありませんか?キタアカリならオムレツを作りましょう。お好きなサイズに切ってオリーブオイルで焼き、塩・こしょうをふり、火が通ったら溶き卵を加えてオムレツに。朝食はもちろん、お弁当やお酒のお供にもぴったりです。

ホクホクの「キタアカリ」に自家製のマヨネーズ、発酵ごぼう、いぶりがっこ、スモーク卵などを混ぜ込んだ大人味のポテトサラダ。 ワインとも相性抜群の一品です。

●こちらの前菜は対象メニューのみに付きます。店頭にてご確認ください。
※写真はイメージです
 
> 北海道の農が見える、お料理とワインのお店
「ブラッスリー コロン ウィズ ル・クルーゼ」

オーブンでローストし、旨味を引き出した「キタアカリ」にバターのせた、北海道ならではの組み合わせです。 温めるとホクホク食感と香りが引き立ちます。
●1個270円(税込み)

※写真はイメージです
 
販売期間、販売店舗などの詳細情報については、下記のウエブサイト、SNSよりご確認ください。
 
> ブーランジェリー コロン