Vol.40
一般財団法人
北海道農業
協同組合学校
澤向 彩圭さん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

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一般財団法人 北海道農業協同組合学校 澤向 彩圭さん

JAグループ北海道の教育センターで、JA職員を目指す学生に対する1年間の養成事業と、JA役職員などに対する研修事業を行っています。養成事業は、農協実務科目、実技・実地科目を学ぶ点が特徴的で、毒物劇物取扱者(農業用品目)などJA職員になった際に役立つ各種資格の取得もサポートしています。また、学生は寮生活が義務付けられ、1年を通じて仲間づくり、協調性の向上を養います。

一般財団法人 北海道農業協同組合学校
069-0834 江別市文京台東町 43番地1
http://ja-college.jp/
TEL:0120-918-417

  • 澤向さん

    澤向さん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 こんにちは。澤向さんのご出身地、浜中町のご紹介からお願いできますか。

澤向さん はい。浜中町は北海道東部にあり、太平洋に面した町です。町の誇りといえる酪農と漁業が盛んで、ラムサール条約に登録されている日本有数の大きな湿原・霧多布湿原もある、広大な自然が魅力の町です。ちなみに下の2枚の写真は、私がスマートフォンで撮りました。

GREEN編集部 なぜ、JAの職員になりたいと思ったのですか。

澤向さん 小さな頃から、JAが身近にある環境で育ってきました。地元のお祭りや買い物をするにもJAは欠かせない存在で、私もこのように人を支えられる人になりたいと思ったのが一番の理由です。また、高校時代に日商簿記検定3級に合格したことから、その知識を活かして酪農家さんたちを裏方から支えたいという思いが強くなりました。さらに簿記以外の知識も習得し、多方面で酪農家さんから頼れると思ってもらえる職員になりたいと考え、北海道農業協同組合学校(以下JAカレッジ)に進学しました。

GREEN編集部 JAカレッジは、一般の短大や大学とどのような違いがありますか。

澤向さん 毒物劇物取扱者(農業用品目)や危険物取扱者(乙種第4類)他、JA職員になってから役に立つたくさんの資格を1年間で取得できます。また、授業では農業実習があり、ゼミごとに一区画の畑を預かり、ゼミ生が育てたい野菜を育てます。私が所属しているゼミでは、さつまいもやきゅうり、ミニトマトなどを育てました。私は大好きな簿記を担当されている高井先生のゼミで、学校見学の時から先生には優しくしていただいています。

GREEN編集部 畑で育てた野菜は、皆さんで食べるのですか?

澤向さん 学校の寮の食堂で、学生、研修生、先生方で食べることになっています。私たちが育てたさつまいもは、大学芋で食べたいと食堂の方にお願いしたところ、大学芋が2回も登場して、本当に幸せでした(笑)。

GREEN編集部 JAカレッジには、内定先のJAを研究し、2月に発表を行う「JA研究」があるそうですね。

澤向さん はい。私は、全国屈指の生乳生産量を誇るJA道東あさひの内定をいただきました。JA道東あさひは、2009年に4JAが合併したため、事業区域が広いのが特徴です。「JA研究」では、JA道東あさひの商品がないことから、牛乳を活用した商品を自分なりに考えてみようと思いました。

GREEN編集部 どのような商品を考えているのですか。

澤向さん JA道東あさひにその旨を伝えると、「スーツケースにも入るような薄いパッケージにできるもので、かつ、高級に見える商品」という具体的な条件が出され、レトルトクリームシチューはどうかと検討しているところです。また、それとは別に、牛乳を使ったラスクも研究中です。ゆずのはちみつを加えてよりさっぱりさせ、さらにハスカップで牛の模様を描こうかと構想中です。

GREEN編集部 どんどん、アイデアが湧いてくるんですね。

澤向さん 牛乳を使って練乳プリンを作り、いちごや抹茶、コーヒーなどの味を添えてもおいしいものができるのではないかと思います。私はお菓子作りが好きなので、こうしたことを考えるのは楽しいです。下の4枚の写真も、私が作ったお菓子です。

GREEN編集部 お話を聞いていると、さまざまなところにアンテナを伸ばしているようですね。

澤向さん 日本農業新聞の記事から、酪農に関する事柄を日誌にまとめたりしています。ある乳業メーカーがキャンプ飯を通じて牛乳の消費や用途拡大を図るキャンペーンを行っていることを知り、全国のキャンパーの皆さんへ牛乳・乳製品の魅力を広くPRできるいい取り組みだと感じました。

GREEN編集部 JAカレッジで学んで、北海道産農畜産物に対する印象や捉え方は変わりましたか?

澤向さん 「農業実習」や「農業概論」などの授業を通じて、これまで触れ合うことがなかった畑作も酪農と同じく手間がかかること、楽しいことを知りました。実家は小さな畑を持っていて、私もそこで野菜や果物の栽培の手伝いをしていたので、それなりに知識はあるほうだと思っていたのですが、まだまだだったと痛感させられました。また、「酪農第一」の考えは変わっていませんが、いままでよりももっと酪農に興味が湧いたことが、変わったといえば変わったことかもしれません。

GREEN編集部 JAカレッジで出会った仲間たちには、どんな思いがありますか?

澤向さん 母校も違えば故郷も違う、でも、JA職員になりたいという同じ目標、信念を持った学生たちが集まり、しかも全寮制ですから、何年も前からの友達のように楽しく過ごしています。思い出といえば、全員で2週間缶詰のようになって勉強した毒物劇物取扱者(農業用品目)や危険物取扱者(乙種第4類)の試験期間です。1週間で説明を受けて、1週間で試験対策をするもので、とても大変でした。でも、終わってみればためになる期間でしたし、合格してみれば自己肯定感にもつながる、いい期間だったと思います。

GREEN編集部 今後、北海道農業の発展にどのように取り組んでいけたらいいと思いますか?

澤向さん 酪農家の方たちの助けになりたいという気持ちから、牛乳消費につながるような取り組みやPRにかかわりたいです。高校時代、地元・浜中町の情報を発信しようと、地域のPR動画とポスターを作成した経験があります。来春以降は、JA職員として、牛乳の魅力を伝え、牛乳を飲みたくなる・食べたくなる・買いたくなる動画を是非作ってみたいです。

GREEN編集部 やりたいことがいっぱいの澤向さんのエネルギーを北海道農業に注いでください。今日はありがとうございました。