Vol.42
知恵と工夫の
チーズ
~長沼あいす~

白い滴のマリアージュ

今回のテーマ

知恵と工夫のチーズ
~長沼あいす~

町内にあった「タンネトー」(アイヌ語で「細長き沼」の意味)という沼が、地名の由来になっている長沼町。マオイの丘から眺める、水田の水面を輝かせて沈む夕日は絶景であり、米・小麦・大豆などを多く生産する畑作地帯でもある。
決して酪農地帯ではない長沼町において、約30年前に設立された「長沼あいす」。町内の酪農家が生産する良質な生乳を使ったクオリティの高いソフトクリームやジェラートは、この町が札幌にも近く、また十勝方面に向かう国道の通り道でもあることから、瞬く間に人気が広がった。

2001年に、ナチュラルチーズ製造を開始。「チーズ製造の後発である我々に、なにができるか」と考え、「添加物をできるだけ使わず、体に優しく、おいしいものを作る」という会社の理念を大事にしながら、知恵や工夫を盛り込んだ商品を開発。
後述する「北のおいチーズ」をはじめ、カチョカバロを小さくつくって串刺しにし、電子レンジであたためると串団子のように食べられる別名“串カバロチーズ”「もっちもちーず」、そのまま手軽に食べてもよし、フライパンなどで焼いて食べてもよしのひと口サイズのカチョカバロ「カチョカバロ チッコロ」がよく知られる。

手に取りやすく、なじみやすい商品は、HACCP認証も取得した衛生的な施設と工程管理のなかで製造していることから、保存料等は使っていないながらも、賞味期限を長く設定できる。
台湾、シンガポールなどにも進出し、ソフトクリームやアイスクリームとともに、チーズも海外でも販売しており、好評を博しているという。
北海道ナチュラルチーズの世界への扉を開け、道を切り拓く挑戦は、創意工夫を重ねながら、これからも続いていく。

チーズの紹介:
北のおいチーズ
「ストリングチーズ」をさいて、醤油でからめて乾燥させ、さきいかのような食感に仕上げたチーズ。原材料は、生乳、塩、醤油のみで、余計なものは一切使っていない。ビールにもよく合う新感覚おつまみで、冷蔵庫に1袋おいておきたいチーズ。
 
< 長沼あいす >
〒069-1481 北海道夕張郡長沼町西11線南7番地
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