ミルキングパーラー(搾乳室)での搾乳作業
(JA宗谷南/枝幸町)

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ミルキングパーラー(搾乳室)での搾乳作業(JA宗谷南/枝幸町)

【 60 秒 】

北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、オホーツク海に面するJA宗谷南から、ミルキングパーラーでの搾乳作業風景をお届けします。

  • 海と山に囲まれた自然豊かな町・枝幸町
    JA宗谷南のある枝幸(えさし)町は、北海道の北部に位置し、東はオホーツク海、西は山々に囲まれた自然豊かな町。枝幸町といえば、毛がになどの海産物を連想する人が多いかもしれません。実は、北海道の中でも酪農の盛んな地域で、JAを中心に、新規就農者の受け入れに熱心に取り組んでいる町でもあります。今回伺ったのは、2022年5月に新規就農したばかりという、栃木県出身の髙橋真彰さんが営む牧場です。髙橋さんは、離農者から牛舎などの施設を引き継ぎ、妻の祐依(ゆい)さんと二人で現在88頭の乳牛を飼育しています。
  • 効率よく、衛生的に搾乳
    牛の搾乳は、早朝と夕方の1日2回。祐依さんは、ミルキングパーラーと呼ばれる搾乳専用の部屋に牛たちを誘導すると、きびきびと作業を進めていきます。搾乳の作業は、「殺菌と病気予防のためのミルカー(搾乳機)の消毒」「異常を発見するのための手搾り」「乳頭の消毒・清拭」「ミルカーの装着」の大きく4つに分けられます。
  • 機械の前に、手搾りで生乳の状態を確認
    機械で搾る前に、一頭一頭手搾りをするのは、生乳に異常がないかを事前に見つける目的があります。代表的なのが、牛の乳房に侵入した雑菌によって引き起こされる「乳房炎」など。殺菌された清潔なタオルで丁寧に乳頭を拭き取り、異常が無い事を確認した後、ようやくミルカーを装着します。搾乳の量は自動計測され、これ以上は搾れないと機械が判断すると自動的にミルカーが外れます。
  • すべては、安全で良質な製品を届けるために
    搾乳が終わるたびに、二人はミルカーを一台一台手際よく綺麗に洗い流していきます。そうして一連の作業を規則的に繰り返すこと、およそ1時間半。すべての牛の搾乳が終わると、施設の隅々まで消毒、洗浄してようやく作業が完了します。髙橋さんによると、搾乳量は1日で約1400ℓにもなるそうです。搾った生乳は、空気に触れることなく、殺菌処理されたパイプを通って、バルククーラーと呼ばれる保冷タンクに貯蔵され、ミルクローリー車で工場へと運ばれます。安全で、品質の良い牛乳や乳製品を私たちのもとに届けるために、酪農家は細心の注意を払いながら、良質の生乳をつくる努力を続けています。