暮らしのすみずみにある、北海道の乳。

暮らしのすみずみにある、北海道の乳。

生乳生産量も乳牛数でも日本一

 私たちの食生活に欠かすことのできない牛乳・乳製品。スーパーやコンビニなどで、牛乳やバター、チーズを見かけない日はありません。北海道は、牛乳やチーズなどの原料となる生乳の生産量と、乳用牛の飼養頭数が日本一(※1・2)。生乳生産量は全国の5割超(図1)を占め、酪農王国としての存在感は年々高まっています。
 乳牛は寒さに強く、暑さに弱い生き物です。餌である牧草を育てる広大な土地も必要なことから、北海道全域で飼育され、特に北部や東部では酪農が盛んに行われています。ここで酪農王国ならではの、興味深いデータをご紹介しましょう。北海道の乳用牛の飼養頭数は約80万頭(図2)。生乳生産量が全国1位(※3)の別海町の頭数は約10万頭(※4)で、町の人口の約7倍。マンパワーならぬ乳牛パワーが日本一の生乳生産量を支えています。
 昨年は、酪農業界にとっても大変厳しい1年となりました。春先に新型コロナウイルス感染症が拡大し、学校給食の停止や飲食店の休業などが相次ぎ、生乳の需要が大幅に減少。それにもかかわらず保存のきかない生乳が行き場を失わずに済んだのは、ステイホームの中、日本中からたくさんの応援があったからです。 生き物を相手にする酪農の仕事に、休日はありません。酪農家は愛情を持って牛たちに向き合い、安全・安心な牛乳・乳製品をいつでも味わえるように、変わらぬ努力を続けています。今号では、北海道の生乳にスポットを当て、酪農家の思いと、私たちの暮らしの中に広がる乳製品を紹介します。



※1 農林水産省「牛乳乳製品統計」2019年より ※2 農林水産省「畜産統計」2019年より ※3 別海町ホームページより ※4 北海道「肉畜等に関する調査」2019年より